
開放感ある庭にしたい方や、狭い敷地を有効活用したい方におすすめな外構がオープン外構です。
便利で開放感あるデザインから多くの新築外構で採用されていますが、オープン外構なら必ず便利で開放感ある庭が造れる、というわけではありません。
オープン外構の開放感などの利点を生かしつつ使いやすい庭を造るには、大きく5つのポイントを抑えておく必要があります。
今回は、オープン外構のメリット・デメリットとそこから分かる庭づくりのポイントについて解説します。
オープン外構とは

オープン外構とは、フェンスや柵を設置していない、もしくは設置していても、またげる程度の高さのものだけを配置している庭を指します。
庭全体を遮らないよう外構を配置することで、コストを抑えつつ開放感ある庭を構築できるのがメリットです。
このメリットを活用し、敷地や外構の配置に制限のある新築で多数採用されています。
オープン外構を構成する要素

オープン外構を構成するには、最低でも以下の要素が必要です。
新築外構の施工を依頼する際は、最低でも以下の要素を抑えておきましょう。
門柱
玄関先にある独立した柱で、主に以下のようなものが挙げられます。
- 表札
 - ポスト
 - インターホン
 
家の正面を表し、住宅やその敷地と道路の境界線を果たす役割がある外構です。
ほかのものを置かなくても、門柱だけは設置する必要があります。
門柱は機能的な役割だけでなく、デザインとしても家の顔として機能する外構でもあります。
植栽と組み合わせて華やかさをプラスするなど、さまざまな活用が可能です。
予算や敷地に制限がある場合でもこだわりたいなら、門柱に注目するといいでしょう。
ポスト
主に門柱や玄関アプローチに設置される外構です。主なものでも以下3つの種類があります。
- 埋め込み型
 - 独立型
 - 壁掛け型
 
ポストは郵便物などを受け取るために欠かせない外構です。門柱同様、必ず設置しましょう。
ポストにはさまざまな材質・デザインがあり、中には鍵付きなどの機能性に優れたものもあります。
適当に選んでしまうと後悔する可能性があるため、慎重に選びましょう。
デザイン的には住宅やほかの外構に合わせたテイストのものを選べば問題ありません。
まずは庭を構成する要素から浮かない素材・デザインのものを絞り込み、その上で機能などを選べば使いやすいものを設置できます。
玄関アプローチ
玄関アプローチは門から玄関までの通路スペースの役割を果たす外構です。
住宅の印象を決める重要な要素でもあります。
複数の素材で構成されており、同じテイストでも形状やデザインによって受ける印象が異なります。
門柱同様、設置の際はデザイン性・機能性ともに注力して選んでおきたい外構です。
駐車場やカーポート
車を利用または将来購入する場合、必ず設置しておきたいのが駐車場です。
設置する際は今持っている車のサイズや台数だけでなく、将来購入または買い替えする可能性も含めて検討しましょう。
屋根やサイドパネルを付ける場合は、駐車場に加えてカーポートや車庫を設置します。
それぞれ機能が異なる上に、同じ外構でも素材やデザインによって得られる効果が異なるため、注意しましょう。
カーポートや車庫を設置する際は、最低限必要な機能や材質・サイズなどを確認した上で選ぶと、使いやすいものを設置できます。
植栽や花壇
植栽や花壇は庭を彩り、アクセントを与える役割があります。
特にシンボルツリーなどはアプローチを構成する要素としても働く外構です。
オープン外構の場合、低い生垣を設置して敷地と道路の境界線を示すこともあります。
花壇はガーデニングをしたい場合に設置するほか、門柱などに彩のアクセントを加える要素として活用されます。
コンクリート敷きの駐車場など、殺風景になりそうな場合は花や芝生などを取り入れて変化をつけると庭がのっぺりした印象になってしまうのを防げます。
オープン外構のメリット

オープン外構にはさまざまなメリットがあります。施工を依頼する際は、以下3点のメリットを最大限活かせるような構成を意識しましょう。
開放感ある庭を造れる
オープン外構は視界を遮るものがほとんどないため、窓から広い景色を楽しむことができます。
開放感ある庭は、オープン外構ならではのメリットです。
光や風が入りやすくなるため、明るく風通しのいい環境にできます。
ガーデニングなどを楽しむ人の中には、自分の造った庭を周りの人に見てもらうために、あえてオープン外構を選択する方もいます。
敷地が狭くても圧迫感がない
敷地が狭い庭は圧迫感を感じやすい傾向があります。
そのため、外構の配置には注意しなくてはなりません。
しかし、オープン外構なら、狭い庭でも圧迫感を感じにくい庭を構成できます。
開けた視界と奥行きを利用して、狭い庭を広く見せることも可能です。
家を建てる敷地自体がコンパクトだと、新築に設置できる窓の数が限られてしまうことがあります。
特に、縦または横に長い家は、窓の位置によっては光が家の奥まで届かなくなる場合もあり、施主にとって頭の痛い問題になることも珍しくはありません。
このような場合でも、オープン外構なら光や風を十分取り込めるため、狭い敷地や細長い形状の家でも快適に過ごせます。
ほかのタイプに比べてリーズナブル
タイプに比べて工事費用がリーズナブルなのも、オープン外構のメリットです。
オープン外構を選択して費用を節約すれば、その分住宅の設備やデザインに注力できます。
庭の機能を必要最低限に抑え、デッキやテラスルームを設置して住宅の延長として活用することも可能です。
家や外構設備にこだわりがあり、費用をかけたい場合もオープン外構はおすすめの選択といえます。
オープン外構のデメリット
オープン外構はメリットだけでなくデメリットもあります。
後悔しない庭づくりのためには、このデメリットに関する知識も必要です。
オープン外構の施工を依頼する際は、以下のデメリットも意識しながら依頼しましょう。
プライバシーが確保しにくい
オープン外構は仕切りがなく、開放感がある一方外部から家や庭の様子がよく見えてしまうことがあります。
プライバシーが確保しにくいのは、オープン外構の代表的なデメリットです。
家の前面にある窓から中の様子が丸見えになることもよくあります。オープン外構を選択する場合は、隣家や道路から視線が入る場所に目隠しなどを設置するようにしましょう。
セキュリティ面で不安になることがある
フェンスや塀がないと泥棒や不審者が敷地内に入り込みやすくなります。
盗難などのトラブルを避けるには、オープン外構のメリットを保ちつつできる防犯対策が必要です。
セキュリティ面での不安もまた、オープン外構のデメリットといえます。
- 適度に視界を遮る植栽を採用する
 - センサーライトを設置する
 
これらの対策はオープン外構でよく採用されている方法です。
セキュリティ面を強化したい場合は、庭や新築のテイストにあわせて取り入れやすい防犯対策はないか、施工業者に相談してみてください。
ちなみに、セキュリティ面での不安は、庭を完全に囲ってしまうクローズ外構でも発生します。
クローズ外構は敷地内を完全に囲っているため、不審者や泥棒が入り込まれてしまっても気がつきにくいデメリットがあります。
オープン外構なら泥棒や不審者が入り込んでもすぐに分かるため、早期に通報などの対応がとれます。
そのため、一概にどちらがいいか、というのはいえません。セキュリティに力を入れたい場合は、外構のタイプや設備にだけ頼るのではなく、複数の方法を利用した方がいいでしょう。
騒音や排気ガス・動物が入り込む可能性が高い
オープン外構は道路に面した部分に塀などがないため、クローズ外構に比べると騒音や排気ガスなどの影響を受けやすくなります。
また、以下のようなトラブルが起こりやすくなるのもデメリットです。
- 子どもが道路に飛び出す
 - 野生動物が入り込んで庭を荒らす
 - よその家のペットが入り込む
 - 自宅で飼っているペットが脱走する
 
交通量の多い道路が近くにある場合や、山や森などが近い場合、ほかの場所よりも上記のようなトラブルが起きやすくなります。
事故やトラブルが考えられる場所には、一部塀などを設置するなど何らかの対策を講じた方がいいでしょう。
こまめなメンテナンスが求められる
オープン外構は常に人目にさらされる状態になる外構でもあります。
こまめにメンテナンスしておかないと、荒れた庭を常に人目にさらすような状態になりかねません。
また、植栽の落ち葉や勝手に生えた雑草が繁殖して隣家に入り込むと、近隣トラブルにつながる恐れもあります。
メンテナンスする時間や手間を確保できない場合は、施工依頼の時点から庭があれる要素を極力減らしていく必要があります。これもまた、デメリットといえるでしょう。
おしゃれなオープン外構を作る5つのポイント
おしゃれなオープン外構を作るには、デメリットを払拭しつつメリットを活用できるような庭づくりを意識する必要があります。
施工を依頼する際は、以下5つのポイントを意識しながら考えましょう。
外構の配置に注目する
オープン外構のデメリットに、敷地外からの視線や侵入があります。
対策するには、設置する外構の位置が重要です。
例えば、家やその延長線として活用できるテラスやガーデンルームを道路や隣家に近い場所に設置してしまうと、中の様子が丸見えになる恐れがあります。
このような事態を防ぐためにも、視線が入り込む恐れのある場所にフェンスや植栽を設置しましょう。
フェンスや植栽なら、狭い敷地でもほかの外構に比べれば設置しやすいです。
格子状のフェンスやポール・樹勢が適度にある植栽なら、オープン外構の解放感を維持しつつ目隠しとしての役割を果たします。
また、外構や車などを手入れする道具がむき出しのまま置かれていると、周囲に生活感や、だらしがない印象を持たれてしまいます。
道具を収納するための物置も配置によっては同じ印象を与えてしまうため、頭を悩ませる方も珍しくはありません。
物置を設置する場合は、その配置場所にも注意しましょう。できれば家やカーポートの陰になる場所を選んでください。
植栽を効果的に活用する
植栽はオープン外構をおしゃれに彩りつつ、自然な目隠しとして活用できます。
低い生垣でも敷地の境界線を示すのに役立ちます。
以下の活用法は、実際の施工でもよく取り入れられている方法です。
- 敷地の一角に目を引くようにシンボルツリーを配置する
 - 道路に沿って低木や花壇を設けて境界線を示す
 - 家のそばにある程度高さのある植栽を植えて自然な目隠しにする
 
植栽を活用すればオープン外構のメリットを活かしつつ、デメリットの影響を緩和できます。
季節ごとに表情を変えるものを植えて、季節ごとに異なる顔を見せる庭を楽しむのもおすすめです。
アプローチにこだわる
アプローチはオープン外構の印象を決める重要な要素です。
素材を複数組み合わせることで、庭に変化や彩りをプラスできます。
アプローチは同じ素材でも配置によって印象がかなり変わるため、庭に持たせたい印象にあわせてデザインしましょう。
単調になりがちな場合は、階段などの段差を設けて変化を生み出す方法もあります。
オープン外構に奥行きや変化を与えたい場合は、アプローチを効果的に活用しましょう。
部分的にフェンスや目隠しを取り入れる
周囲の視線や防犯面が気になる場合は、部分的にフェンスや目隠しを取り入れましょう。
例えば、シンプルなフェンスで境界線を作り、格子やルーパーなどのスクリーンを設置すれば、開放感はそのままに外からの視線や侵入をある程度コントロールできます。
植栽と組み合わせれば単調なデザインにアクセントや遊び心を追加することも可能です。
複数の素材や外構を組み合わせて、おしゃれな庭を作りましょう。
照明にもこだわる
照明は夜間の演出だけでなく防犯面でも役立ちます。
例えば、家や門柱にセンサーライトを設置すれば、敷地内に人が近づいてきてもすぐに気づけます。
アプローチに沿って照明を付ければ、暗いなかでも安心して庭を通行できます。
照明は防犯や安全だけでなく、デザイン性にも関係する外構です。
例えば、シンボルツリーや門柱をライトアップすることで、昼間とは違う雰囲気を演出できます。
シンプルな庭でも、照明を使えば昼と夜で違うデザインを楽しめます。
あえて照明による光と影の美しさにこだわるのも、面白いアイデアです。
なお、照明にこだわる場合は、シンプルかつほかの外構と調和するようなデザインを心がけましょう。
まとめ
オープン外構にはメリットとデメリットがあり、おしゃれで快適な庭を造るにはそれぞれの内容をよく理解した上で施工を依頼する必要があります。
依頼前に庭に欲しい機能や気になるデメリットなどをある程度まとめておきましょう。
ザ・ガーデンでは庭づくりに関するご相談を受け付けています。
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