
玄関ポーチは家の印象を決める重要な要素です。
使いやすく、外観をよりよく見せるためには、ポーチの機能やデザインのポイントをおさえておく必要があります。
今回はそんな玄関ポーチの機能や選び方について解説します。
玄関ポーチとは

玄関ポーチとは玄関扉の外側にある、出入りのためのスペースです。設置の際は基本的には以下3つを避けるために設置します。
- 日差し
- 雨雪
- 強風
戸建てのほとんどは外開きのため、出入口には必ず必要な外構です。
以前は新築の設計時点で施工を行うのが当たり前でしたが、最近は外構業者が後工事にて施工することも増えてきました。
ポーチのサイズをオリジナルで設計する場合や、外構工事の範囲にポーチが含まれるケースでは、専門性の高い業者にまとめて依頼されることもあります。
玄関ポーチを依頼する会社の選び方
玄関ポーチは以下2パターンで施工されます。
- 建築会社が施工する
- 外構業者に依頼する
建築会社がポーチを作る場合、ポーチと玄関内のタイルや外壁などのデザインを統一して仕上げます。
ポーチ躯体は建築基礎と同時に施工する場合が多いです。
一方、デザインによりこだわりたい場合や、色調や素材を自分たちで選びたい場合は、外構業者の方がおすすめです。
例えば、室内は奥様の好みに合わせ、外観は旦那様の意見を取り入れたい場合など、それぞれの希望を反映させたいときは、柔軟な対応が求められます。
このような場合、施主の要望に応えるのが得意な外構業者は心強い味方になります。
強いこだわりがあるなら、外構業者への依頼も検討しましょう。
玄関ポーチのメリット

玄関ポーチの施工を外構業者に依頼すると、以下のようなメリットを得られます。
悪天候でも快適に玄関を利用できる
玄関ポーチがあれば悪天候や強い日差しからの影響をある程度防げます。
特に小さい子や足腰の不自由な方がいる場合、悪天候でも快適に移動できる環境はとても便利です。
ポーチに目隠しを設置すれば、プライバシー確保にも役立ちます。
ライトなどを設置すれば夜間でも安全に出入りできるだけでなく、防犯効果を高めることも可能です。
なお、これらの設備は建築会社では希望がない限り設置することはほとんどありません。
提案も少ないため、あとからほしい機能がある場合、リフォームで対応することになります。
よりこだわりたいなら、外構業者に施工を依頼した方がいいでしょう。
外観のデザイン性を向上する

玄関ポーチは家の顔に当たる部分です。
こだわりを持って作られたポーチは、住宅全体の印象をよりよくしてくれます。
庭と家両方のデザイン性を考慮したものを設置すれば、庭と家を違和感なくつなぐ役割を果たしてくれます。
例えば、広いポーチは家全体を優雅に見せる効果が期待できます。
敷地に余裕があれば、階段や浮き階段などの特徴的な階段を設置してユニークな印象を付けることも可能です。
住宅のコンセプトやテイストにあわせたデザインにすれば、新築の外観をより魅力的な外観に仕上げられるのも、外構業者に依頼するメリットといえるでしょう。
玄関ドアの劣化を防ぐ
玄関ポーチは悪天候や強い日光の影響からドアを守る効果も期待できます。
劣化しやすい木製ドアでも、ポーチを設置することで、いつまでもきれいな状態を楽しめます。
耐久性の高いアルミやスチール製のドアも劣化は避けられないため、メンテナンス頻度を抑えたい場合にもおすすめです。
新築の外観や玄関まわりを長くきれいに保ちたい場合は、外構業者に依頼した方がいいでしょう。
宅配ボックスや収納スペースとして活用できる
玄関ポーチを広く造っておくと、そのスペースをさまざまな形で有効活用できます。
- 傘立て置き場や傘の開閉スペース
- 宅配ボックスや大きい荷物を置くための一時スペース
- 自転車や庭で使う道具の収納スペース
目隠しなどを設置すれば、生活感を覚えるものを隠すのにも役立ちます。
玄関周りをすっきりさせたい場合は、機能性に優れたポーチを設置しましょう。
玄関ポーチのデメリット

こだわって作られた玄関ポーチには、さまざまなメリットがあります。しかし新築の建築と分けて作る場合、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。設置の際は以下のデメリットにも注意しながら依頼しましょう。
設置スペースが必要
玄関ポーチの設置にはある程度敷地が必要です。
敷地の広さによっては駐車スペースや庭全体のバランスを考慮しなくてはなりません。
何も考えずに設置してしまうと、使いづらい庭になってしまいます。
玄関ポーチを設置する際は、間取りやサイズを慎重に検討しましょう。
コストがかかる
これはすべての外構に該当することですが、設置には費用や期間がかかります。
玄関ポーチの場合複数のパーツを組み合わせて設置しなくてはなりません。
デザイン性や機能性にこだわる場合、特に照明や手すりを設置する場合は、コスト管理に注意しましょう。
施工次第では安全面に影響する
玄関ポーチに屋根を付けて設置すると、光が入りにくくなります。玄関周りが暗くなるため、特に北側を向いている場合は採光に注意が必要です。対処法としては、以下の方法があります。
- 照明をつける
- 壁の色を明るくする
- 玄関ドアやデザインの一部にガラスなどの透過素材を採用する
これらの施工には費用がかかりますが、夜間の移動や不審者対策に力を入れたい場合は設置することをおすすめします。
また、玄関ポーチの屋根は構造的につながっていないことがあります。
そのため、耐震設計に影響が出るケースもゼロではありません。耐震設計などに力を入れたい場合もまた、業者に相談しましょう。
玄関ポーチを構成する要素と選ぶ際のポイント

玄関ポーチは複数のパーツで構成されており、それぞれ選ぶ際のポイントがあります。次はポーチを構成する要素とその選び方のポイントについて解説します。
屋根
玄関ポーチの屋根には、いくつかの種類があります。
- 片流れ:ポーチの片側だけに屋根がかかっているデザイン
- 寄棟(よせむね):屋根の四方が水平に広がり上部が傾斜しているデザイン
- バルコニー:屋根がない張り出し型のデザイン
それぞれ見た目や日当たり・撥水性が異なるため、選ぶ際は注意しましょう。
また、同じ形状でも素材によって耐久性や採光性が異なります。
- ガルバリウム鋼板などの金属製:耐久性や防錆性に優れているが断熱性が低い
- 木材:ナチュラルで温かみのある質感を楽しめるが耐久性は低い
- ポリカーポネート:透明性が高く屋根があっても明るいポーチにできるが傷つきやすい
取り扱っている素材は業者ごとに異なるため、ほしい機能やデザインに適したものを提示してもらい、その中から選びましょう。
屋根のサイズは小さいものを選んでしまうと日光や悪天候の影響を防ぐ効果が十分に得られなくなる恐れがあります。
最低でも傘を広げる際濡れない程度の広さは必要です。
住宅の多くは外壁に日よけの屋根があるのが一般的ですが、あとからつけると外壁の構造上設置できない場合もあります。
屋根は設計の時点で検討し、できれば最初に施工できるようにしておくと安心です。
デザイン性を重視してフラットルーフを選ぶ方もいますが、傾斜がないため汚れやゴミが落ちにくく、掃除が大変です。
メンテナンスにかける手間や費用を惜しまないなら問題ありませんが、少しでもコストを削減される場合は手入れしやすさにも注目しましょう。
床材
床材はデザインだけでなく滑りにくさや掃除の手間などの機能性にも注目しながら選ぶのがポイントです。
主な素材としては、以下のものがあります。機能も考慮しながら選びましょう。
- モルタル:セメントに砂と水を入れた素材で低価格なうえに汚れが目立ちにくい
- タイル:デザイン性だけでなく滑り止めなどの機能性にも優れているものが多数あるほか、耐久性の高さが魅力
どの素材にもほかの素材にはない魅力があります。種類も豊富なため、できることなら実際の建材を見て決めることをおすすめします。
照明
透過性のない素材を使った場合は、照明で明るさを確保しましょう。
照明は安全や防犯対策のためだけでなく、演出などのデザイン面でも活用できます。
間接照明などを取り入れれば、おしゃれで実用性に富んだ玄関ポーチを作ることも可能です。
照明に使う電球は、LEDがおすすめです。
LEDは耐久性とコストに優れており、一晩中点灯していても電気代や電球の寿命が気になりません。
防犯面を強化したいなら、センサーライトを導入しましょう。
人の接近があれば玄関が明るくなることで気が付くため、高い防犯性を確保できます。
なお、屋根があっても天候の影響を完全に防ぐことはできないため、設置する電球は防雨・防湿性の高いものを選んでください。
階段・スロープ
階段は特にこだわっておきたいパーツです。玄関ポーチは、どの家庭でも日常的に使う外構の一部です。階段の高さや幅は、家族構成や将来設計・敷地面積などを考慮したサイズ・デザインで仕上げましょう。
階段と同じような機能を果たすパーツにスロープがあります。
車いすやベビーカーを利用する可能性があるなら設置しておきたいパーツですが、設置面積が階段よりも広いため、敷地によっては工夫が必要です。
特に車いすは緩やかな傾斜でないと安全かつスムーズに通れないため、長い距離を必要とします。
バリアフリーに優れた玄関ポーチを設置したい場合、階段とスロープを両方設置するのがベストです。
しかし設置するものが増える分敷地面積と費用が掛かります。長期的な目線で考えると多少費用がかかっても設置しておきたい設備ですが、費用に制限がある場合はどちらか片方に絞り込んだ方がいいでしょう。
手すり
階段やスロープを付ける場合は、手すりも併せて設置しましょう。
手すりの高さは80〜90cmが一般的ですが、生活動線に配慮して高さや位置を調節してください。
業者と相談しながら、どのようなものなら便利に使えるかを考慮して設計するのがポイントです。
手すりの素材はステンレスなどの錆びにくい素材からぬくもりやナチュラルな雰囲気を感じられる木製まで、さまざまな種類があります。新築や玄関ポーチのテイストにあわせて選びましょう。
こだわりがある場合やミスマッチを絶対に避けたい場合は、実際の建材を見ながら探すのがおすすめです。
玄関付近の手すりは玄関ポーチを構成する要素のなかでも美観に大きな影響を与えます。全体の調和を意識しながら選んでください。
宅配ボックス
近年は宅配ボックスの設置を前提に玄関ポーチを設計する方が増えています。
在宅・不在にかかわらず荷物をスムーズに受け取ることができるため、普段から通販などを利用しているなら検討しておきたい要素です。
なお、設置の際は扉の開閉する方向などを考慮しながら決めましょう。
宅配ボックスも種類やサイズがあるため、普段利用している荷物の大きさを参考にしながら選んでください。
また、盗難を避けるために暗証番号によるロックが採用されているものや、宅配ボックスとは別に防犯カメラの導入などもおすすめです。
植栽や目隠し
植栽は外構のさまざまな場所に採用されており、玄関ポーチでも活用されます。季
節の花を植えて華やかさやアクセントをプラスすれば、家の外観にも変化やデザイン性をプラスできます。
また、玄関から家のなかや宅配ボックスが見えるのが気になる場合は、目隠しを設置しましょう。
塀やパネルで覆ってしまうのもいいですが、明るさが気になる場合は、格子状のフェンスや高さのある植栽を活用する方がおすすめです。
目隠しは設置された位置や種類により玄関の雰囲気を大きく変えます。設置の際は機能面・デザイン面ともにバランスよく機能するものを選んでください。
玄関ポーチの素材や機能の選び方
玄関ポーチを構成する要素の選び方をおさえたら、素材や機能別の選び方も知っておきましょう。選ぶ際のポイントについて解説します。
重視する使用目的に合わせて選ぶ
玄関ポーチには複数の機能を付与できます。施工依頼前に欲しい機能やその優先順位をつけておきましょう。
建築の初期段階で、建築会社・施主・外構業者の3者で話し合いができればベストです。
例えば、悪天候の日でも快適に使えるポーチを作りたいなら、屋根や横殴りの雨風を防ぐ塀やフェンスを付けましょう。
床材は滑り止め加工や機能が付いたものを選ぶとより使いやすくなります。
タイルなら滑りにくくお手入れも簡単にできるため、おすすめです。
小さい子どもや足腰の弱い人が使うことを想定するなら、階段よりも緩やかなスロープと手すりを付けるのがおすすめです。
小さい子どもがいて道路が近い場所に玄関がある場合は、動線も考慮しながら設計しましょう。
以下の写真は、実際にスロープや階段に手すりを付けたものです。


このように、重視する使用目的が分かると自然とほしい設備や材質を絞り込めます。
デザインなどもある程度絞り込めるため、効率的に設置したい場合はまずほしい機能を絞りこむことから始めましょう。
住宅やほかの外構とのバランスを考慮する
玄関ポーチは住宅の玄関とアプローチなどをつなぐ外構です。デザインを考える際は、以下の要素とセットで考えましょう。
- アプローチの動線
- デザイン性
- 目隠しや植栽の有無
動線のうち、特に重要なのが階段です。階段は必ず設置するため、特に動きやすさにこだわって設置しましょう。
セットで考えることで、家全体の外観に統一性を持たせられます。例えば、南玄関だと庭と同じ向きに玄関があることが多いため、玄関と庭を接続するタイルなどを統一させると、広々とした印象を与えられます。

同じ素材でも、加工方法や色調・設置の仕方によって印象が大きく変わります。住宅全体のデザインやテイストと調和するように選びましょう。
コストやメンテナンスの手間も重要なポイント
玄関ポーチに限らず、外構の施工には費用がかかります。
必要な機能を優先しつつデザインを統一するのは、コストに発生する無駄を抑えるためにも重要です。
いつまでもきれいで使いやすいポーチを維持するには、掃除などの日常的なメンテナンスだけでなく専門家の力も必要です。
素材によっては部品の入れ替えなども発生します。
素材やデザインを決定する際は、維持費やメンテナンスのしやすさにも注目して選びましょう。
まとめ
玄関ポーチは住宅の機能性や外観を向上させる役割があります。設置の際は新築を立てる時点から外構業者とともに相談しましょう。ほしい機能やほかの要素との統一感を意識しながら検討してください。