2025年12月18日

新築外構にフェンスを加えるかの判断ポイントと費用を抑えるテクニック

フェンスは家の外観を彩るだけでなく、プライバシーや防犯性の向上といった機能も持ち合わせている外構です。

庭づくりの際に設置を検討されている方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、フェンスは必ずしも設置しなければいけないものではありません。

場合によっては、設置しなくてもいいケースや、一部の設置で済ませられる場合もあります。

この判断ができれば、フェンスにかける費用を最低限に抑えつつ、おしゃれな庭を造れるようになります。

このコラムでは、新築外構にフェンスが必要かを考える判断ポイントを解説します。

併せて費用を抑えながら、おしゃれな庭を造るテクニックについても解説しますので、参考にしてください。

 


外構におけるフェンスの役割とは

門塀とフロートステップのアプローチ

外構は立地やデザインなどさまざまな要素によって要不要が異なります。

フェンスも例外ではありません。そもそも新築外構にフェンスが必要か判断するには、その役割を知っておく必要があります。

まずはフェンスの主な役割について解説します。

 

目隠しやプライバシー確保

フェンスの役割のうち代表的なものが、目隠しやプライバシーの確保です。

新築の庭などに面している部分、特に人目に付きやすい一階部分に大きな窓があると、庭から家の中までが丸見えになってしまいます。窓から視線が遮られている状態でも、道路の位置によっては家の中の様子や庭で干している洗濯物などが目に入ることもあります。

フェンスがあれば、近隣住居や道路からの視線を遮ることができます。

フェンスを立てると日光や風が取り込みにくくなるイメージを持つ方もいますが、高さやデザインを選べば問題ありません。

 

防犯対策

新築の一戸建て住宅は、マンションやアパートなどの集合住宅に比べると侵入や盗難のターゲットにされやすい傾向があります。

そのような不審者の侵入対策としても効果的です。

防犯対策を重視する場合は、敷地をしっかり囲えるサイズやデザインを選ぶことが重要です。

フェンスを適切に配置することで侵入経路を限定でき、防犯性の向上につながります。

また、フェンスは家の外観を構成する大切な要素でもあります。

新築住宅のテイストに合ったデザインを選べば、外観の統一感が生まれ、より完成度の高い印象を与えることができます。

 

境界線の明確化

フェンスは所有する土地と隣接しているほかの敷地や道路との境界を示す役割もあります。

一戸建てや土地の売買では、この境界線が明確に決められており、超えるとトラブルに発展する場合があります。

境界線がわかるようにフェンスを設置すれば、このようなトラブルが起きるのを予防できます。

万が一、敷地に関する問題が起きてもフェンスの配置を軸に話を進められるため、スムーズに解決できます。

 


フェンス設置を考えるときのポイント

フェンスは必ず設置しなくてはならない外構ではありません。しかし、例外もあります。この例外に該当する場合は、フェンスの設置を前提として費用を計算しなくてはなりません。

また、設置する場合は目的に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

次はフェンスの設置を考える際におさえておきたいポイントについて解説します。

 

設置が必須のケース

高低差のある土地に新築を立てる場合、転落防止のためのフェンスを設置する必要があります。

具体的には、土手や崖などがある場合です。

フェンスを設置する費用を確保した上で外構工事を依頼しましょう。

 

フェンスの予算は新築を立てる時点で計算しておく

外構を含めた家づくりの予算は、限りがあるかと思います。

外構にかかる費用はその中でも意外と大きな額を占めることがあるため、満足いく庭にするには予算配分をきちんと計算した上で施工依頼しなくてはなりません。

フェンスを設置する必要がある場合は、家づくりの計画の時点で予算額をある程度決めておきましょう。

 

設置するフェンスの目的や種類

また、フェンスの設置を後悔しないためには、その目的や種類をおさえておく必要があります。

例えば、目隠し用のフェンスを設置する場合、人の目線よりも低いものでは効果を発揮しません。

防犯目的の場合、フェンスをよじ登れる網目やとっかかりがないデザインのフェンスを採用する必要があります。

また、デザインだけでなく材質でもフェンスの使い勝手は異なるため、その種類にも注目しながら選びましょう。

 


フェンスの設置場所別の選び方

タイルデッキ

フェンスはサイズや材質・デザインにより適したものが異なります。次は設置場所別の選び方を解説するので、外構の配置を考えるときの参考にしてください。

 

庭に設置するフェンスは、プライバシー確保や境界線としての役割を果たしつつ、周囲の環境にもなじむものを選びます。

防犯やプライバシー確保に力を入れていない限りは、視線を完全に遮るものよりも、ある程度開放感あるデザインの方が快適です。

具体的には、ウッドフェンスやメッシュフェンスのような、ほかの外構と組み合わせやすいものが該当します。

外からの衝撃にある程度耐えるためにも、耐久性が高い金属製や、メンテナンスの手間がかかりにくい樹脂製のフェンスを選ぶといいでしょう。

新築やほかの外構とカラーを統一すると、よりおしゃれな外観になります。

植栽を設置できるデザインなら、緑や季節の花と組み合わせたデザインもおすすめです。

通気性のあるルーバータイプを選べば、風通しを確保しつつ圧迫感も軽減できます。

玄関前に設置する場合も、通風性を保ちながら目隠し効果を得られるため、バランスの良い選択肢です。

 

玄関前

LIXL プラスG

ドアを開けたときの目隠し用にフェンスを設置する場合は、デザイン性が高いものを選びましょう。

玄関やその前にある外構は、家の第一印象を決める重要な役割を果たします。

素材としては、デザインの選択肢が多いアルミ製や樹脂製がおすすめです。アプローチや玄関周辺の外構と統一感あるものを選んでください。

デザイン性にこだわりすぎると目隠しとしての役割を果たさなくなることもあります。サイズは最低限でも、人の目線の高さよりも高いものを選びましょう。

 

道路側

道路側にフェンスを置く場合、防犯やプライバシー確保のために設置するのが一般的です。

この役割を果たすには、人の目線以上の高さがあり、きちんと目隠しできるデザインのものを選びます。

なお、ただ境界線を示すためだけに欲しい場合は、アルミやスチール製のメッシュフェンスでも問題ありません。

防犯面を強化したいなら、よじ登れないデザインや材質のものを選ぶとより安心です。

外構業者に依頼のときに相談することで、適切なものを選んでもらえます。

 


フェンスの素材別の選び方

タカショー 千本格子シリーズ スクリーンフェンス

フェンスは同じデザイン・性能でも、材質によって細かい違いが出ることもあります。

後悔しない庭づくりのためには、素材にこだわることも大切です。主な素材とその特徴について解説するので、こちらの内容も参考にしてください。

 

アルミ

軽量でさびにくいアルミは、モダンでスタイリッシュなデザインからナチュラル感ある木目調まで、さまざまな種類があります。

種類が多い分、外観や用途に合わせたものが豊富に販売されているのがメリットです。

便利な素材ではありますが、衝撃に弱く、ゆがみやへこみが生じやすい点には注意が必要です。
より高い耐久性を求める場合は、他の素材を検討した方が安心です。

 

樹脂

樹脂素材のフェンスは天然木のような風合いが楽しめます。

腐食やシロアリ対策などがいらず、メンテナンスが簡単なのも魅力です。

玄関先はもちろん、ウッドデッキの目隠しとして設置しても、外観を損ねません。

幅広いシーンで活用できますが、耐久面でいうとアルミなどの金属よりも弱い傾向にあります。

目隠しとして活用する分にはいいですが、防犯面などを考えた場合は別の素材を選びましょう。

 

天然木

自然の木材ならではの風合いが特徴で、ほかの素材には出せないナチュラルな外観を楽しめます。

温かみのあるデザインは、新築やほかの外構とも調和しやすく、植栽との相性も抜群です。

しかし、定期的な塗装やシロアリ対策・防腐処理など、ほかの素材にはないメンテナンスが必要です。

こまめに外構をメンテナンスする手間や時間が取れない場合は、樹脂フェンスの方がいいでしょう。

 

スチール

 

 LIXIL グリッドフェンス PCフェンス

スチールは高い耐久性と強度を誇ります。シンプルなものは価格も手ごろなため、防犯用として広範囲に設置してもそれほど費用もかからない場合もあります。

広い敷地の防犯性を確保したい場合は、スチール製のものを選ぶといいでしょう。

デザインによっては植栽と組み合わせることで外観をより高める効果が期待できるものもあります。

ただ、メッシュタイプや柵状のデザインが多いため、完全に周囲からの視界を遮るタイプはあまり販売されていません。

視界を完全に遮りたい場合は、別の素材を使うか併用することをおすすめします。

 


フェンスの価格

 

フェンスは単体の価格が決められており、幅2m前後の一枚がいくらかで計算します。

フェンスごとに価格は異なりますが、5,000〜10万円と、それぞれかなり幅があります。

また、ブロック塀の上にフェンスを設置する場合、コア抜き作業と呼ばれる工事が必要です。

これはブロック内にある鉄骨を避けながらフェンスの柱を入れる穴をくりぬく作業で、だいたい5〜10万円前後かかります。

フェンスを設置する範囲が広ければ広いほどフェンスも必要になるため、その分費用も高額になります。

防犯のためにフェンスで庭全体を囲むクローズ外構などを選択する場合は、事前にフェンスが必要な長さなどを把握しておき、その上で検討しましょう。

 


設置費用を抑えつつおしゃれな庭を造るテクニック

タイルデッキ

新築外構にあわせて庭づくりを検討している方の中には「フェンスを設置したいけど、予算に限りがある」とお悩みの方もいるでしょう。次はそんな方のために、設置費用を抑えつつおしゃれな庭を造るテクニックをご紹介します。

 

低いフェンスを選ぶ

フェンスを作る際、当然ですがサイズが大きく、目が細かい、またはないものほど素材が必要です。

そのためサイズが大きい・目が細かいフェンスはその分高額になります。

費用を抑えつつフェンスを設置したい場合は、背が低いフェンスを中心に選びましょう。

また、フェンスを設置する際は、ほしい機能などを考慮しながら必要最低限の高さをチェックすることも重要です。

一例ではありますが、家の北側には、窓が少ない家もあります。
このような場合、プライバシー確保のためにフェンスを設置する必要はほとんどありません。
こうした場所だけ低いフェンスを選ぶのもひとつの方法です。

また、プライバシー確保や防犯が目的の場合は、目線を遮る最低限の高さ150cmがおすすめです。

この高さでよじ登れないようなデザインのものを選べば、費用を抑えつつ目的の効果を得ることも可能です。

 

必要な箇所だけに設置する

スクリーンフェンスとアプローチ

フェンスは本当に必要な場所だけに絞って設置することで費用を抑えることができます。

先ほどの例でいえば、防犯目的の場合、窓などがない面にはフェンスを設置しなくてもいいでしょう。

反対に、室内が見えやすい玄関や道路に面した一階の大きな窓には、目隠し用のフェンスを設置する必要があります。

これは立地や新築のデザインにより異なります。住宅の間取りや敷地周辺も確認しながら検討しましょう。

 


まとめ

フェンスはやみくもに設置すれば良いものではありません。

新築のデザインや立地によっては、不要な場合もよくあります。

一方、敷地やその近くに高低差があるなど、安全面によっては設置すべき場合もあることを頭に入れておきましょう。

費用を抑えつつおしゃれな庭や機能性に優れた庭を造りたい場合は、設置すべき位置とフェンスの種類にもこだわる必要があります。

予算に制限があるときは、最低限ほしい機能を果たせるフェンスの特徴をおさえておくと、満足できる庭を造ることができます。

ザ・ガーデンでは、新築外構のフェンス設置をはじめとした、庭づくりに関するご相談やご依頼を受け付けております。

少しでも気になった方は、お気軽にご相談ください。

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