
狭い敷地でも開放的かつおしゃれな庭にできることから、多くの新築がオープン外構を選択しています。
しかし、一方では「視線や侵入が気になる」「境界トラブルが怖い」と感じる方もいるようです。
このような疑問や不安を払拭する方法に、アプローチを活用する手法があります。
今回はオープン外構の外観や機能を高めるアプローチについて解説します。
オープン外構の定義と構造

オープン外構とは門やフェンスを最小限に抑えることで、開放的なデザインを作る外構スタイルです。
敷地の境界を軽やかに仕切ることで、新築と周囲の環境が自然につながる設計にできます。
敷地が狭くてフェンスなどを作ると閉塞感を与えてしまう場合や、視覚的な広がりがほしい場合に採用されているスタイルです。
通行や駐車も自由にできるほか、シンプルかつ洗練された印象を外観に与えられます。
オープン外構のメリット

オープン外構には主に4つのメリットがあります。このメリットは、外観だけでなく予算やメンテナンスにも影響する要素です。
新築外構を検討する前に、オープン外構が持つメリットを知っておきましょう。
開放感ある快適な空間
オープン外構最大の特徴でありメリットなのが、開放感ある空間です。
門扉や塀による仕切りがないため、広々とした空間を演出できます。
また、敷地を遮るものがない分、日光や風通しもよくなります。
屋外だけでなく屋内で過ごす際にも開放感を感じることができる、魅力的な外構スタイルです。
高いコストパフォーマンス
塀や門扉がなければ、当然それらを設置するための費用もかかりません。
オープン外構は塀やフェンスで覆われているセミオープン・クローズ外構に比べると施工費用が安くなる傾向にあります。
費用を抑えられる分、他の外構デザインに回せるのもまたオープン外構のメリットといえるでしょう。
予算に限りがある方はもちろん、お得におしゃれな外構を造りたい方にも、オープン外構はおすすめのスタイルです。
デザインの自由度が高い
門扉や塀を設置すると、どうしても構造物の制約を受けることになります。
敷地の状態や外構の種類によっては、設置できない場合もあるでしょう。
しかし、オープン外構なら設置する構造物が少ない分、自由にデザインできます。
植栽やこのあと解説するアプローチへのこだわりを自由に表現できるのも、オープン外構の魅力です。
メンテナンスが簡単
外構は設置する以上、ある程度メンテナンスをしなくてはなりません。
外構のなかには汚れやサビ・破損に強いものもありますが、それでも限界はあります。
手入れの必要な外構アイテムをたくさん置いたために、
メンテナンスの手間や費用がかかってしまったというのは、よくある失敗です。
オープン外構は開放感を演出するために、設置する外構アイテムも最小限に抑える傾向にあります。
メンテナンスが必要なものが少ない分、手間や時間を節約することが可能です。
ライフスタイルの関係から外構のメンテナンスに手間や時間をかけられない方にも、オープン外構はおすすめといえます。
オープン外構の侵入防止対策

オープン外構にはさまざまなメリットがありますが、長所ばかりではありません。
柵や門扉がないために不審者の侵入や近隣との境界トラブルが、
ほかのスタイルに比べると起きやすいデメリットがあります。
このようなトラブルを防ぐ方法をご紹介します。
部分的に抜け感のあるフェンスを設置する
道路や近隣との境界線付近に抜け感のあるフェンスを設置することで、敷地を明確に示せます。
このとき、オープン外構の開放感を維持するために選ばれるのが、
抜け感のあるアルミ製やスクリーンデザインのフェンスです。
シンプルかつ日光や風がある程度通るフェンスを選ぶことで、
オープン外構のメリットを維持しつつトラブルを予防する効果が期待できます。
門柱や門塀で境界を設置する
アプローチの入り口に門柱や門塀を設置することで、敷地を明確化できます。
フェンスなどを設置すると閉塞感が出てしまう場合は、あえて門柱や門塀だけ設置するのもおすすめです。
門柱や門塀には、インターホン子機やポストなど取付することが多く、
来客を敷地内に迎え入れることなく対応することができ、プライベート空間を確保できます。
花壇と一体型のものなら、外構のデザインに彩りや高低差を生み出すことも可能です。
機能やデザインにこだわりつつ境界線を明確にしたい場合は、門柱や門塀の活用も検討してみましょう。
オープン外構の費用相場

オープン外構は一般的にはほかのスタイルよりは安価になる傾向があります。
しかし、デザインや使用する外構によっては相場よりも高くなることもあるため、
あくまでも目安としてとらえておきましょう。
オープン外構で比較的よく設置されているものの相場額をまとめると、以下のようになります。
- 駐車スペース:1台につき15~50万円
- アプローチ:15~50万円
- 植栽:数万円~数十万円(植栽の品種と数によって変動する)
なお、カーポートなどを設置する場合や、高価な素材を使ってアプローチを施工した場合は
これよりも費用がかかる可能性があります。
おしゃれなアプローチを取り入れるメリット

アプローチにはさまざまなメリットがあります。
次はアプローチがあると得られるメリットについて解説します。
外観の完成度を向上させる
アプローチを設置することで、玄関先だけでなく新築とその外構全体のデザインを引き立たせる効果が期待できます。
新築の外観を意識したデザインや素材をきちんと選べば、より魅力的な外観に仕上げることも可能です。
昼間のデザインだけでなく、照明の配置や種類にこだわれば、夜間に昼間とは異なるデザインを楽しめます。
防犯機能を高める
アプローチを設置し、道路から玄関までの流れが分かる状態にすることで、
不審者が入り込んでも周囲からすぐ発見されるため、防犯機能を高める効果が期待できるでしょう。
より防犯に力を入れたいなら、人感センサーで点灯する照明がおすすめです。
夜間だと敷地の位置や境界線が分かりにくくなる場合でも、照明のオン・オフで人の存在が分かります。
また、アプローチにカーブをやクランクを設けて奥行きを出せば、
玄関までの距離を視覚的に長く感じさせることができ、侵入しにくい印象を作ることも可能です。
「オープン外構にしたいけど不審者や泥棒が気になる」等の場合は、アプローチを工夫してみましょう。
来客に歓迎の気持ちを示せる
アプローチは来客を敷地外から玄関まで導く役割があります。
特にきちんと施工・整備されたものは、訪れた人に歓迎の気持ちを示すのに最適です。
また、玄関ドアまで距離がある場合でも、アプローチがあれば迷わずにたどり着けます。
アプローチは外観や防犯性を向上させるだけでなく、訪問者を迎えるポイントでもあります。
施工の際は、どのようなデザインなら訪問者にいい印象を与えられるかにこだわってみるのもいいでしょう。
悪天候でも歩きやすい
何も加工しないままの外構は、泥や砂利のままです。
普段はそれでも問題なく歩行できる場合もありますが、雨や雪のときまでいつも通りとはいきません。
アプローチとして玄関までの動線をコンクリートやタイルで施工しておけば、
悪天候でも靴や服が汚れにくくなります。滑り止め加工などをすれば、転倒の危険性も防げるでしょう。
アプローチは新築の外観を高めるだけでなく、機能面を向上させる役割もあります。
おしゃれなアプローチを作るときにおさえておきたいポイント

さまざまな機能のあるアプローチですが、ただ施工すればいいものではありません。
おしゃれかつ使いやすいものを作るには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。
アプローチの施工を依頼する際は、以下のポイントを意識しながら相談・依頼しましょう。
アプローチの幅は1.2mを意識する
敷地の広さや状況により異なりますが、アプローチは人が通る際に必要な幅を確保しておく必要があります。
日本人の標準だと約0.6mといわれていますが、実際にこの幅にしてしまうとかなり狭い印象を与えてしまうでしょう。
実際にアプローチを設置する場合は、傘や荷物を持つ場合や人がすれ違うことを想定した幅を意識してください。
目安としては、約1.2m程度です。自転車などを家の中またはその近くに収納する場合でも、
これだけ幅を取っていれば問題なく使用できます。
アプローチの配置でデザインにアクセントを与える
アプローチの配置は、家の外観や印象を決める重要な要素です。
同じ素材を使っていても、直線か曲線かで与える印象は大きく異なります。
直線的なアプローチはスタイリッシュな印象を与えられます。
敷地が極端に狭い場合でも配置できるため、モダンな外観や敷地スペースを確保したい場合は直線を選びましょう。
ただ、オープン外構で直線を選んでしまうと、庭から家の中までが丸見えになる恐れがあります。
曲線的なアプローチは、玄関と門の位置をずらすことで、外からの視線を家の内部からそらす効果が期待できます。
植栽なども併用すれば、視線や侵入を阻む死角を生み出すことも可能です。
アプローチの動きに変化をつけると奥行きや空間の広がりを意識させることもできるため、
オープン外構の開放感をより強く演出できます。
ただ、ほかの外構をたくさん配置してしまうとこの効果を感じにくくなるため、採用する際は配置に注意しましょう。
新築とアプローチの色調・質感を統一する
たくさんの色や素材を使うと、まとまりのない、乱雑な印象を与えてしまいます。
アプローチを作る際は、新築やほかの外構との色調や質感を意識しながら選びましょう。
具体的には、新築にある以下のパーツに注目して検討します。
- 外壁
- 屋根
- 扉や窓枠
基本の色や素材を外壁に寄せつつ、アクセントとなるアイテムを他のパーツに揃えることで、
自然と一体感ある印象を作り出せます。
アプローチのデザインによっては、建物とは異なる色や素材を入れたい場合もあるでしょう。
このような場合は、色または質感のうち片方だけは統一するように気を付けることで、
アクセントとなった要素が目立ちすぎるのを防げます。
高低差を意識するとよりおしゃれに
アプローチに限らず、外構のデザインを考えようとすると、
つい外構の位置、つまり横の変化にばかり目が行きがちになります。
しかし、よりおしゃれに仕上げたいなら、縦の変化も必要です。
設置する際は、配置だけでなく外構ごとに「異なる高さ」も意識しましょう。
たとえば、植栽を設置する際に以下のような形で設置するとアクセントを与えられます。
- 高:建物やシンボルツリーのような高めの植栽
- 中:ポール型の照明やポスト・門柱
- 低:アプローチの飛び石やタイル・花壇や背の低い植栽
外から敷地内を見たときに上記の分類に該当する外構を「高・中・低」「中・低・中」となるように設置すると、
統一感を崩さずに庭にアクセントを与えられます。
よりおしゃれな庭を造りたい場合は、立体感とその流れを意識しましょう。
アプローチの費用相場

アプローチはオープン外構の機能を維持・向上しつつ庭をおしゃれに彩ってくれる外構です。
複数の素材や要素から作られているため、一口にアプローチといっても費用は庭ごとに異なります。
次はアプローチの費用相場について解説します。
一般的なデザインの場合
一般的なデザインの場合、約15〜50万円が相場額といわれています。
価格が明確に定まっていないのは、アプローチに使用する製品(レンガやタイル)により材料費が異なるためです。
具体的には、以下の費用を合算して算出します。
- 下地コンクリート工事費
- レンガやタイルの材料費
- レンガやタイルの施工費
敷地が広ければ広いほど施工範囲も広くなるため、高額になります。
また、敷地の状態によっては下地を整える工事が必要になる場合もあるでしょう。
このような場合はその工事費もかかるため、相場よりも高くなる可能性があります。
特注品や希少なレンガ・タイルを使った場合も同様です。
確実に詳細な費用額を知りたい場合は、業者の現地調査をしてもらったうえで見積書を出してもらうのが一番です。
費用を詳しく知りたい場合は、現地調査と見積書の作成を依頼しましょう。
機能を追加する場合
アプローチはオプションとしてスロープや手すり・照明を付けることも可能です。
どれも悪天候や遅い時間帯の移動に不安がある場合に便利なものですが、取り付ける場合は別途費用がかかります。
これもレンガやタイル同様、取り付ける範囲や種類によって価格が上下しますが、約10〜50万円が目安額です。
まとめ
オープン外構はほかのスタイルにはない魅力がありますが、デメリットもあります。
このデメリットを払拭しつつ機能や外観を向上したい場合は、アプローチを活用しましょう。
ザ・ガーデンではオープン外構やアプローチに関するご相談も受け付けています。
新築の庭づくりについて相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。