緑や季節ごとの花を咲かせる植物が植えられた庭は、多くの人の憧れです。
新築の家にあわせて緑豊かな庭をつくろうとしている方も多いのではないでしょうか。
その一方で、緑豊かな庭が欲しいものの、具体的には何を植えればいいのか分からない、という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、新築外構を彩る樹木や花などを選ぶ際に役立つ、植栽に関する知識をまとめました。
外構工事で取り扱うものの種類を、具体的な植物の名前を交えつつ、選び方のポイントも含めて解説しています。
植栽選びにお悩みの方は、ぜひご覧ください。
そもそも植栽とは
植栽とは、植物を植えて空間、つまり庭を整えることを指します。
外構づくりだけでなく公共施設などの緑化整備でも使われる言葉です。
一口に「植栽」といっても、施工する庭や目的によって植える植物は異なります。
庭の機能や彩りも左右するため、庭づくりにおいて重要な位置を占める要素です。
植栽の知識があれば、より理想に沿った庭づくりを実現できます。
植栽の主な効果
植栽にはさまざまな効果があります。
理想通りの庭を造るには、庭を彩る以外の効果も知っておかなくてはなりません。
植栽が持つ主な効果について解説します。
庭に欲しい機能やデザインを考えるときの参考にしてみてください。
木陰をつくる
日差しが強い日でも、木陰があれば快適に過ごせます。
植栽は日光を適度に遮り、庭や家を快適な空間にする効果が期待できます。
大きな庭、特に日当たりのいい庭には直射日光を避けるためにも欲しい効果といえるでしょう。
具体的には、テラスやデッキ周りなどのくつろぎスペースに設けるのがおすすめです。
目隠しになる
植栽は目隠しの代わりとしても活用できます。
目隠しとして活用する場合、枝葉が密生した樹木がよく採用されます。
うまく活用すればフェンスよりも見栄えがよく、閉塞感も感じない目隠しを作ることができます。
目隠しの効果を高めたいなら、フェンスだけでなく目線外しの植栽を採用することも検討しましょう。
庭の彩り、季節を楽しめる
植栽には色鮮やかな花実をつけるものや、紅葉などで季節の移ろいを表現できるものがあります。
例えば、桜と紅葉を植えれば、季節ごとに異なる庭を楽しむことも可能です。
駐車場のすき間などに色鮮やかな花を植えることでも庭にアクセントをプラスすることができます。
また、あえて異なる質感や色の葉を楽しめる植物を複数植えて、緑のグラデーションを楽しむこともできます。
生垣になる
植栽は目隠しとしてだけでなく敷地の境界を示す際にも活用されます。
この場合によく用いられるのが、低木です。
自治体によっては町並みの緑化対策に力を入れている関係でフェンスが使えない場合や、助成金が活用できるケースがあります。
庭に目隠しや境界線が分かるものを導入したい場合は、フェンスだけでなく生け垣を活用することも検討してみましょう。
植栽の種類や構成
植栽は役割ごとに適した種類が異なります。
また、同じ種類の樹木や草花でも、その役割によって印象が変化することもあります。
理想の庭づくりのためには、植栽の種類や構成に関する知識も必要です。
これまでの内容とともに、以下の知識もおさえておきましょう。
シンボルツリー
文字通り、庭と家のシンボルとなる植栽です。植栽や外構の中心であり、建物の外観を美しく演出します。
家の成長とともに変化を楽しめるため、記念樹としても扱われることもあります。
庭の象徴であり、玄関のアプローチに採用されることも多い植栽です。
具体的な種類としては、以下のものがメジャーです。
- アオダモ
- 紅葉
- シマトネリコ
- ソヨゴ
- ヤマボウシ
- オリーブ
- ミモザ
このあと詳しく説明しますが、シンボルツリーは家や庭の雰囲気にあわせたものを選ぶのが基本です。
和風なら紅葉や桜、洋風ならオリーブなどが雰囲気に合わせやすいでしょう。
和モダンの場合は和風・洋風どちらを選んでも問題ありませんが、周りの植栽や外構との調和を考えて選ぶと庭の完成度を高められます。
また、配置によっても選ぶべき樹種は異なります。
例えば、アプローチに設置されている花壇やその付近に植える場合、高低差を考慮しないとちぐはぐな印象を与えてしまうでしょう。
このような事態を避けるために、あえて低木をシンボルツリーにするケースもあります。
このほか、思い入れのある樹種を中心に庭を構築することも可能です。
家や庭のテイストと合わせにくい樹種でも、ほかの植栽と合わせて配置することで違和感を最小限に抑えられます。
シンボルツリーは庭の主役ともいえる植栽です。
こだわろうとすればどこまでもこだわれる、奥深い外構でもあります。
設置の際に、お悩みや気になることがあれば、積極的に外構業者に相談してみてくださいね。
シンボルツリーのバランスを取るための植栽
シンボルツリーの樹種によっては、一本だけ植えているとアンバランスに見えることもあります。
この場合、シンボルツリーの周辺にツリーが映えるような高さや樹種の植栽を配置するといいでしょう。
例えば、シンボルツリーが落葉樹なら常緑種を周辺に植えることで、バランスが取れます。
年間を通して緑が残るようにしたり、逆に落葉や紅葉などの変化をつけるのも面白いでしょう。
一本だけだと寂しい場合などは、ほかの植栽や外構を活用してみてください。
敷地の側面に沿って植える
日陰や建物の裏側の設備を隠すためにも、植栽は活用されます。
生け垣のように並べて植えることで、目隠しとして活用できます。
日陰を作る目的なら窓や建物などよりもある程度高い植栽を選びましょう。
目隠しとしての目的で使う場合は、冬でも葉が落ちない常緑種などを選んでください。
具体的には、以下の樹木があげられます。
- シマトネリコ
- ヤマボウシ
- オリーブ
どれも日光への耐性に優れているものや、葉が大きく広がることで木陰を作るタイプの植栽です。
南国原産のものや日当たりのいい場所に生えるタイプは、木陰を作るのに便利なタイプが多い傾向にあります。
このタイプは季節によって鮮やかな花をつけるものもあるため、庭をより華やかにしたい場合にもおすすめです。
視線や目視を避けるための植栽
植栽を目隠しとして活用する場合、窓の近くなどに植えて外からの視線や目線を遮ることができます。
フェンスのすき間を埋める場合や、視線を誘導させる場合に活用されるのがこのタイプです。
こちらも先ほどの目隠しとして活用されるもの同様、常緑樹が採用されます。
目隠しとして設置する場合、少なくとも以下の2つの活用方法があります。
- 生垣として全面的に隠す
- フェンスのすき間などをポイントで隠す
それぞれ適した植栽の種類と配置が異なるため、目的にあわせて選ぶ必要があります。
目隠しだから常緑樹、と安易に選んでしまうと家やほかの外構デザインから浮いたり、
目隠しとしての役割を十分に果たさなかったりする場合もあるため注意が必要です。
目隠し用の植栽を設置する際は、ほしい機能を維持しつつ、周りとの調和も意識しながら選びましょう。
低木
目線以下の低い高さの樹木です。
葉の緑だけでなく、鮮やかな花や実・紅葉を楽しめるものもあります。
これまで解説してきた植栽の足元を隠すように低木を設置すると、バランスが取れて見栄えを良くすることができます。
ほかの種類の植栽との色や高低のバランスを取ることで、庭全体を美しく、優しい印象に変えられるのが特徴です。
ザ・ガーデンでは、割栗石と合わせてよく使います。
庭のクオリティーを高めたいなら、ぜひ取り入れてほしい方法です。
下草類
低木よりも低い、地面を覆うような丈の植栽です。
建物の基礎隠しや家などの外観に安定した印象を与えられます。
コンクリートなどで舗装した庭や駐車場に植えて、周辺を明るく見せるためにも活用されます。
低木と同様、割栗石とともに配置される植栽です。
庭をより美しく、優しい印象にしたい場合は下草類も活用しましょう。
新築外構に施す植栽の選び方
植栽は一度植えると撤去するのにもまた工事が必要です。
後悔しない庭を造るには、植える前にほしい機能や場所を慎重に選択する必要があります。
新築外構に植物を植えることを検討している方は、以下の内容を意識しながら植える場所や種類を考えましょう。
目的に合わせて選ぶ
植栽にはさまざまな種類があり、目的によって適した種類が異なります。
最初に解説したもののうち、特に優先されるのが以下の2つです。
- 美観や景観を整える
- 目隠し
植栽を設置する際は、まずはどちらの機能を優先するのかを選びましょう。
目的を決めることで、植える植物の種類をある程度絞り込めます。
たくさんあると迷ってしまう場合は、植栽を設置する目的を考えることから始めましょう。
設置場所に適した種類を選ぶ
植栽は植物、つまり生き物です。一つひとつ生育に適した環境が異なります。
植えたい場所にあわせて、以下の条件をよく確認しておきましょう。
- 日当たり
- 風通し
- 水はけ
- 土壌
例えば、日当たりのいい場所を好む植栽を家の裏などの目隠しに使ってしまうと、すぐに枯れてしまいます。
家の裏の生垣として活用する場合は、以下の条件を満たした植栽を選ぶようにしましょう。
- 日陰の方が育ちやすい
- 風通しや水はけが悪くても問題ない
- 肥料などをあまり必要としない
- 葉が密集して生える常緑樹
これだけ条件が絞れれば、たくさんの植栽が用意されていても必要なものを絞りこめます。
ほしい機能を満たしている物を選びましょう。
このほか、美観のために植える場合は、どこから見て楽しむのかを考慮するのがポイントです。
具体的には、以下3つの視点を意識して選んでください。
- 室内
- 軒下
- 道路などの家の外
どの方向から見て楽しむのかでも、選ぶべき植栽は変化します。
美観にこだわって植栽を設置する場合は、どの植栽をどの視点から楽しむのかをよく考えながら選んでみてください。
建物やほかの外構の雰囲気に合わせる
次に注目したいのが、家とほかの外構との調和です。
家やほかの外構と浮くデザインの植栽を選んでしまうと、違和感のある庭になります。
植栽は家や庭のテイストやデザインにより相性があるため、浮いた配置やデザインにならないよう注意しましょう。
例えば、同じモダン系でも、和モダンと洋風では与える印象も選ぶべき植栽も大きく変化します。
また、植栽自体も庭の印象を大きく変える要素です。
同じ緑でも真緑を中心にするか複数の色合いを組み込むかでも、与える印象は異なります。
家のデザインなどを踏まえつつ、どんな庭にしたいかを明確にしておきましょう。
植栽の種類だけでなく、高低や配置も重要なポイントです。
植栽や一緒に配置する外構との高低差が激しいと、見る人にちぐはぐな印象を与えてしまいます。
シンボルツリーや目隠し用の植栽の下には、低木や下草などを植えると全体のバランスが整います。
アプローチに花壇が付いているタイプは、アプローチの配色と調和するような花を咲かせる植物がおすすめです。
まとめ
植栽といっても、ほしい機能やデザインによってさまざまな選択肢があります。
後悔しない庭を造るためには、植栽の種類や役割を理解し、適切な樹種を配置することが大切です。
ザ・ガーデンでは植栽を含めた新築外構に関するご相談を受け付けております。
特定の樹種をシンボルツリーにした庭を造りたい方や、狭い庭でも植栽を楽しめる方法を知りたい方も、
お気軽にご相談ください。
お客様のお悩みやご要望に寄り添いつつ、理想の庭づくりをお手伝いします。