2025年06月03日

外構のライトアップは種類と配置で決まる|設置アイデア5選

外構のライトアップは昼間とは異なる庭の顔を作ってくれる、重要な要素です。
配置や光の色・強さによって印象は大きく変わり、実用性だけでなく美観や防犯性にも影響します。

このコラムでは、ライトアップを検討している方に向けて、種類や設置のポイント、注意すべき点、そしておすすめのアイデアを紹介します。

 


外構におけるライトアップの役割

外構のライトアップには複数の役割があります。まずはライトアップがどのような役割を果たすのかをおさえましょう。

美観を保つ役割

ライトアップの代表的な役割が、夜の美観を保つことです。
特に玄関周りと植栽の周りにライトアップがあると、ライトがない場合に比べて夜でも美しく映えます。
夜遅くに帰宅したときも、美しくライトアップされたファサードがあれば疲れた心を癒してくれるでしょう。

美観を求めて設置されるライトアップの多くは、門塀やシンボルツリーに設置します。
昼間とはまた違った外構の姿を意識しながら設置するのが、この効果を得たい場合のポイントです。

防犯性を高める役割

暗い家は不審者や泥棒にとって、とても都合のいい家です。

家の周囲にある暗がりや死角を照らすだけでも、侵入者を防ぐ効果が期待できます。
併せてセンサーライトを導入すれば、家の中にいても、人の接近を明かりで確認することができます。

防犯としての役割は、ライトアップの実用的な役割といえるでしょう。
防犯目的で設置する場合は、家の暗がりや死角などにも詳しい業者と確認しながら設置することをおすすめします。

安全性を高める役割

日が落ちて暗い庭でも、足元がライトアップされていれば転んだり怪我したりする事態を予防できます。

これもまた、実用的な役割です。
小さい子どもや足腰の弱い人と一緒に暮らしているなら、ぜひ取り入れたい機能でもあります。
安全目的で設置する場合、ケガしやすい段差や池の位置などが分かりやすい壁際などに設置するようにしましょう。

また、家から離れた位置にある駐車場や自転車置き場などをライトアップする場合することもおすすめです。

作業効率を高める役割

夜の庭で作業するときに明かりがあれば安全かつ効率的に取り組めます。

これもまた、ライトアップの重要な機能です。
うまく配置できれば、庭を部屋の延長のようにして使うこともできるようになります。

住宅や庭の機能を拡張したい場合は、その機能性にこだわりましょう。

外構での作業以外の目的で設置する場合、表札灯や自転車を置くスペースなどが該当します。どの場合も、高寿命で使いやすいLED照明の活用がおすすめです。
また、照明には明るさや時間帯で自動オンオフできるタイマー機能をつけることもおすすめです。

住宅の価値を高める役割

これまで解説した機能が適切に配置されている外構は、それだけで価値があります。
エクステリア全体の価値を高めるのも、ライトアップの重要な役割です。

薄暗く、使いづらい外構は、家を含めた敷地全体の価値を下げてしまいます。

ライトアップを設置する際は、いかに住宅とエクステリアの価値を高めるのに役立つかにも注目しながら検討しましょう。

 


外構のライトアップの主な種類

一口にライトアップといっても、その形状や灯の特徴はそれぞれ異なります。
ライトアップの機能や効果を最大限に活かすなら、種類を知っておく必要があります。

ライトアップのなかでも外構によく採用されているものを解説するので、エクステリアの配置を検討する際に参考にしてみてくださいね。

ポール型 

 

高さのある柱の先にライトが付いているタイプです。

主にアプローチや主庭など、光を広く与えたい場所に活用されます。
ポール型を主に活用する際は、灯の位置に注目しましょう。

見晴らしのいい空間は背の低い物を、造作物が近くにある場合は高い位置にライトがあるものを選びましょう。
ポール型の光が持つ特徴を最大限に活かせる位置を探してください。

グランドライト

 

地中に埋め込んで下から照らす小型ライトの一種です。主に以下の材質や外構の床面に埋め込むような形で活用します。

  • 石やコンクリートブロックのアプローチ
  • タイル
  • ウッド製のデッキ

おしゃれな雰囲気を演出する効果がありますが、漏電や水がたまりやすいなどのデメリットもあります。
この対策として防止加工などもされていますが、完全に故障を防ぐのは不可能です。

設置の際は水の影響を受けないようある程度工夫しましょう。

スポットライト

 

一方向に強い光で特定の場所を照らせるライトアップです。外構で利用されているもののなかでも一番多く、演出しやすい照明でもあります。
シンボルツリーなどの高い外構もしっかりライトアップできるため、暗くなっても外構の主役を目立たせられます。

そのまま置いても十分効果を発揮しますが、対象物があった方が映えるタイプのライトアップです。
ほかの外構との組み合わせが照明の価値を決めるため、設置の際は注意しましょう。

ウォールライト

 

壁面に取り付けられるタイプのライトアップです。
壁やその近くの通路の誘導や、壁際に植えられた植栽を照らす形で使われます。
ほかの照明と併せて上下からスポットライトのように植栽を照らせば、光の線と植栽の緑が生み出すコンビネーションを楽しめます。

また、ライト自体のデザインが優れているものは、明かりとしてだけでなく、壁デザインのアクセントとしても優秀です。

 


外構のライトアップにありがちな失敗

ホテルライク外構

外構のライトアップは設置するライトの種類や位置に注意しないと、後々、後悔することもあります。
ここでは、外構のライトアップでやりがちな失敗をお伝えするので、事前に確認していきましょう。

明暗センサーやタイマー機能の付け忘れ

外構のライトアップは、住宅または庭にあるスイッチを操作して明かりをつけます。

この作業にかかる手間を軽減するのが、明暗センサーやタイマー機能です。
この機能を付けておかないと、暗いときに帰ってきてもスイッチを操作するまで明かりがつきません。
これではせっかく美しいライトアップを楽しめる外構を作っても台無しです。

また、スイッチの切り忘れによって、夜中や明け方にまぶしさに悩まされることがあります。
これは敷地内に住んでいる自分や家族だけでなく、近隣住民にも迷惑をかける可能性があります。

光が漏れることによるご近所トラブル

隣家の部屋や敷地に外構の光が入り込んでしまうと、生活に影響を与えてしまいます。
先ほど解説したセンサーを搭載しているものでも、光量によってはトラブルにつながる恐れもあるため、注意が必要です。
外構の光漏れによる影響は、読書やテレビ鑑賞などに悪影響を与えるほか、就寝の妨げにもなります。

ライトアップを設置する際は、光量とその漏れによって周りに迷惑をかけないかも注意しましょう。

ライトの明かりによる睡眠の妨げ

明るい外構はロマンチックな雰囲気を作り出してくれます。
しかし、真夜中までライトが付いていると、就寝の妨げになることがあります。

寝室近くのライトアップが室内に差し込まないかもチェックしておきましょう。

対策としては、特定の時間になると自動でオン・オフできるタイマー機能のついたライトを選ぶ方法が有効です。
ライトを設置する際は、搭載されている機能を必ず確認してください。

センサーライトが過敏に反応して気になる

センサー付きライトは防犯などに役立ちますが、過敏に反応すると本来なら必要ないときにもライトが付いてしまいます。
ライトアップが点滅するようにオンオフする姿は、あまり美しいとはいえません。

この問題の対策としては、以下のものが有効です。

  • 道路側や風で動きやすい植栽などの傍に配置しない
  • センサーの照射範囲を考慮して設置する

設置の際は防犯機能との折り合いをつけられるような位置を探しながら設置しましょう。

照明が昆虫を引き寄せる

明るい光は昆虫を引き寄せてしまいます。

特に夜間は光に集まる虫が多く発生するため、家や敷地内にこれらの虫を集めてしまうこともあります。
あまりの虫の数にライトの設置を後悔するケースも珍しくはありません。

光には虫を引き寄せやすい種類とそうでない種類があります。

虫を寄せ付けにくい色や温度のライトを設置すれば、この問題の発生を予防できます。
虫の被害が気になる場合は、その旨を外構業者に相談しておきましょう。

 


外構のライトアップを考える時に抑えておきたいポイント

外構のライトアップは、光量や設置する位置によって家や敷地の価値を大きく変えてしまいます。
ライトアップを考える際は、以下のポイントを抑えながら検討しましょう。

目隠しを考慮する

外構をライトアップすると、昼間よりも外から目立つようになります。
プライベートを守るためにも、目隠しフェンスやシェード・サイドスクリーンなどの設置も検討しましょう。
ライトアップをはじめとした外構を設置する際は、プライベート空間がよく見えてしまう配置になっていないか注意してください。

視線の奥を明るくする

人は視線の奥が暗いと不安感を覚えます。外構では、通路の奥や敷地の角などが暗くなりがちです。
そのため、通路の奥や敷地の角などをライトアップすることで、全体的に安心感やくつろいだ雰囲気を生み出せます。

デザインした印影ができると、奥行きにより敷地がいつもよりも広く見える効果も期待できます。

これも美しい庭づくりには欠かせないテクニックです。

庭の主役をライトアップする

ライトアップの真価は何かに当てて光らせてこそ発揮されます。

ライトアップを引き立てるシンボルツリーや壁面・オブジェなどをデザインに組み込みましょう。
ライトを主役にしたい場合は、デザイン性に優れた照明器具を選んでください。

特にシンボルツリーのような、外構の主役となるものを照らす際はほかのものよりもこだわりましょう。
ライトアップはほかの外構の魅力をより際立たせるのにも有効な方法です。

 


外構をおしゃれに彩るライトアップのアイデア5選

ライトアップを配置する際のポイントをおさえても、実例がないとイメージしづらい方もいるかと思います。
次は、ライトアップのアイデアを5つご紹介します。

ポール型でロマンチックな空間を演出

天然素材を使用した外構

玄関から住宅までにポール型のライトアップを等間隔に置くことでロマンチックな空間を演出できます。

植栽やアプローチを照らす際は、光源の高さに注意しましょう。
花壇などの中に間接照明タイプのポールを入れて照らすと、昼間とは違う明かりの元で咲く花の色を楽しむこともできます。

オレンジLEDで虫よけしつつ温かみのある庭を作る

虫が光に集まるのを防ぎたいなら、オレンジ、つまり電球色のライトを中心に配置しましょう。
また、虫は熱に寄ってくるため、明かりがついていても熱を感じないLEDがおすすめです。
LEDと聞くと白熱球と同じ白色をイメージする方もいるかもしれませんが、最近は電球色のものや凝ったデザインのものも販売されるようになりました。

これらを活用すれば、虫よけの機能と温かみあるデザインを両立させることができるのでおすすめです。

植栽を目立たせたいなら根元から照らす

植栽、特にシンボルツリーのように高いものを目立たせたいなら、その高さをより演出できるようなライトアップを意識しましょう。
スポットライトで根元から照らすことで、光源が上にある日中とはまた違った植栽の姿を楽しめます。

植栽を照らすときは、その特徴や魅力が活きる位置や光源を選ぶのがポイントです。

間接照明で柔らかい雰囲気を楽しむ

ステップライトなどの間接照明は、柔らかい雰囲気を生み出してくれます。
通路や段差を示すのにも活用できるほか、壁やそのデザインを照らすことで、おしゃれでラグジュアリーな雰囲気を作り出せます。

たくさんの小さな明りで非日常のワクワク感を

ワクワク感を味わえるような庭を作りたいなら、大きさや色の違う複数のライトアップを活用しましょう。
門扉を中心に高さや光源の大きさ・色などが違うものを配置することで、庭全体をイルミネーションで装飾したような状態にできます。

うまく明かりを配置できれば庭全体をほんのり明るくすることも可能です。デザイン性と実用性に優れた事例といえるでしょう。

 


まとめ

ライトアップは外構における重要な位置を占めている要素です。

配置ひとつでトラブルの元にも、外構全体の価値を上げるものにもなります。
設置の際はライトアップや外構にほしい機能を確認しつつ、それを最大限に得るにはどうすればいいかをぜひ考えてみてください。

ザ・ガーデンでは外構のライトアップに関するご相談やお悩みを受け付けています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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