2025年07月30日

外構工事で後悔しない車庫選びのポイント8つ

新築の外構工事で車を持っている方がよく検討するものとして、車庫があります。

外構のなかでも施工やスペースが大掛かりになりがちな車庫は、設置時に十分に考慮しないと、思わぬトラブルを招く恐れがあります。

 

車庫の設置で後悔しないためには、8つのポイントをおさえて選ぶことが大切です。

車庫を設置する際に持っておきたい知識と、車庫選びの8つのポイントをお伝えします。

 


車庫の特徴と主な役割

車庫はガレージと呼ばれるのが一般的で、屋根や柱・天井が設置されている外構です。

屋根と壁があり、基礎に打ち付けられているため、固定資産税の対象となります。

 

設置のための初期費用に加えて、税金やランニングコストがかかりますが、高い防犯性や安全性を誇ります。

愛車の劣化や管理の手間を減らしたい方を中心に、多くの庭に採用されている外構です。

 

カーポートや駐車場との違い

車庫と同じ扱いをされる外構に、カーポートや駐車場があります。

カーポート正面

カーポートは屋根や柱がついていますが、基礎に打ち込まれていません。

また、壁や門がなく、防犯性や保護の面では車庫に劣ります。車をある程度保護する設備が欲しいけど、設置や維持にかかるコストが気になる方を中心に採用されている外構です。

 

駐車場には屋根や壁はありません。車を止めるスペースのみです。

防犯性などはほかの外構に劣りますが、その分費用を抑えて設置できます。

 

一口に駐車用設備といっても、このようにそれぞれ異なる特徴を備えています。

設置の際は、予算や機能・設置スペースなど、さまざまな要素を加味しながら選びましょう。

 


車庫の主な種類

 

車庫は大きく分けると以下3つに分類できます。それぞれの内容や違いをおさえておきましょう。

独立型

独立した建物として設置されるタイプです。倉庫やプレハブ小屋のような形で設置されます。独立型にも分類があり、以下2つに分けられます。

 

  • 独立型:メーカーの規格があり安価だがオリジナリティが低い
  • オーダーメイド型:車や住まい・庭にあわせて一からデザインできるが独立型に比べると高価

 

ほかのタイプに比べて、機能やデザインの自由度が高いのが特徴です。

その一方で、住宅から独立して建てられるため、玄関から遠い位置に設置してしまうと移動や荷物の運搬が困難になる恐れがあります。独立型を採用する場合は、設置位置に注意しましょう。

ビルトイン型

インナーガレージとも呼ばれるタイプで、住宅の一部として建設します。こちらも以下2つのタイプに分類できます。

 

減築タイプ:住宅の一階部分を車庫にするタイプ

隣接タイプ:住宅の隣などに接続するように設置するタイプ

 

どちらも車を止める以外に車庫を活用できるうえに、住宅のすぐ近くにあるため雨風のある日でも乗り降りが簡単です。

愛車を自宅から眺められることをメリットとして挙げる方もいます。

 

一方、住宅と車庫がつながっているためシャッターを上下する音や車のエンジン音が響きやすいなどのデメリットがあります。ビルトイン型を選ぶ場合は、防音対策や間取りに注意しましょう。

 


車庫に人気のオプション

車庫はそのまま設置するだけでなく、さまざまなオプションが設置できます。

これらのオプションは車庫の使い勝手を決める重要な要素です。

人気のオプションを解説するので、ほしい機能がないかチェックしながらご覧ください。

照明

夜間での作業や車の出し入れをスムーズにしたい場合に必須のオプションです。

照明の種類により明るさやランニングコストが大きく異なります。設置する際は、車庫の種類や用途に合わせて選びましょう。

 

適度な明るさがあり、ランニングコストにも優れているLED照明は、車庫用照明におすすめです。

棚・ラック

車に使う工具や備品をしまっておくのに便利なのが、棚やラックなどの収納機能です。

使いやすい場所に配置できれば、車庫内のスペースをより有効活用できます。

収納スペースは自転車や遊具など外にそのまま置いておくと盗難が心配されるものや、園芸用品のように玄関に収納しているとかさばるものをしまう際にも役立ちます。

収納機能を設置する際は、車だけでなく庭で使用するものも含めて考えましょう。

棚板

大きいサイズの棚などがおけない場合は、棚板を設置すればそれを収納として活用できます。

壁をそのまま収納に活用できるため、床スペースを広く取ることもできます。

収納機能が欲しいけど車の出入りも気になる場合は、棚やラックではなく棚板を選ぶと使いやすくなります。

間仕切り壁

車庫を車管理以外の用途で使いたい場合に設置したいのが、間仕切り壁です。

車エリアとそれ以外の作業や物を管理するエリアを分断することで、それぞれのエリアで効率的に作業できます。

間仕切り壁には防音・防塵効果も期待できるため、特に車庫を屋内作業スペースとして活用したい場合におすすめです。

また、車ごとに車庫を分けたい場合にも活用できます。

引き戸

間仕切り間を設置するなら、引き戸も設置しましょう。

車庫のなかで移動できるようにすることで、スペースを有効活用できます。

扉には開き戸もありますが、開き戸は開閉にある程度スペースが必要です。

引き戸はスペースがなくても問題なく移動できるため、車庫のような狭いスペースに適しています。

物の出し入れが多い場合も効率的に移動できるのも、引き戸をおすすめする理由のひとつです。

換気扇

換気扇をはじめとした換気システムを導入すれば、車庫内に排気ガスや湿気がたまるのを防げます。

カビやサビの影響から車庫やそこに置いている物を守りたい場合におすすめです。

また、車庫の中で塗装などの作業をすると、有害物質や不快な臭いが出ることがあります。

換気扇があれば、すぐにこれらを車庫の外に排気できます。車を止めるだけでなく、車庫内で作業したい場合にも便利な設備です。

車を管理するだけでなく、工作などの作業スペースとして車庫を使いたい場合は、換気扇などの換気システムを設置しておきましょう。

 


後悔しない車庫の選び方

車庫は同じタイプでも、デザインや機能に大きな違いがあります。

選ぶ際はほしい機能をある程度絞り込んでおくと後悔しにくいものを選べます。

車庫を選ぶ際におさえておきたいポイントを解説するので、参考にしてください。

収納台数を決める

車庫は必要な収納台数により広さが異なります。まずは収納台数を決めましょう。

なお、収納台数を決める際には、現在所有している車だけでなく、将来必要となる車の数や車種も含めて考えてください。

 

将来的に車を増やす場合、あらかじめ駐車スペースを確保しておかないと増設などのリフォームが必要になります。

費用のムダを発生させないためにも、新築で車庫を作る時点で必要となる台数を把握しておくのが、後悔しない車庫づくりのポイントです。

車庫のタイプを決める

最初に解説したように、車庫は大きく分けると2つのタイプがあります。

ちらを設置するかでも必要なスペースや費用は異なるため、慎重に決めましょう。

特にビルトインタイプは新築の間取りに含むか増築する形で作るため、庭だけでなく家も影響を受けます。

ビルトインタイプを設置する場合は、新築を立てる時点である程度決めておいた方がいいでしょう。

車庫の広さを決める

車に必要な駐車スペースは、車種ごとに異なります。

駐車スペースを決める際は、現在持っている車両と将来車庫に入れる車両サイズを考慮しましょう。

具体的には、1台で済む場合は1台用スペースを、2台以上持っているまたは将来増える場合は2台以上駐車できるスペースのものを選んでください。

また、スペースは駐車や収納でもある程度求められる要素です。

 

  • 車の出し入れに必要なスペース
  • ドアや仕切り扉の開閉に必要なスペース
  • 作業スペースの有無やその広さ

 

これらも忘れずに確保できる広さを決定しましょう。

車庫の素材を決める

車庫の性能は素材によっても変化します。主な素材とその特徴をまとめた図が以下のものです。

 

素材

メリット

デメリット

木製

  • 自然で温かみがあるデザイン
  • 湿気やシロアリ対策やそのメンテナンスが必要

鉄骨・スチール製

  • 耐久性高く長持ちする
  • 防犯性に優れている
  • 設置コストが高くなる可能性が高い
  • サビ対策やそのメンテナンスが必要

アルミ製

  • 軽量でさびにくい
  • 耐久性に優れ長持ちする
  • 上記の特性からコストパフォーマンスに優れている
 

 

このように、同じ広さやタイプの車庫でも素材ひとつで性能は大きく変化します。

素材は車庫に欲しい機能をある程度明確にしておきましょう。

セキュリティ対策を選ぶ

車を安全に管理するには、車庫のセキュリティも検討しなくてはなりません。

車庫には扉やシャッターがありますが、基本的に以下2つに分けられます。

 

  • 手動式:シャッター開閉の手間がかかるが低コスト
  • 電動式:リモコン操作で開閉できるが手動式に比べると高額になりやすい傾向

盗難やいたずらが心配なら、防犯カメラや動作検知センサーの導入もおすすめです。

なお、これらの設置にはすべて費用がかかるため、予算にも注意しながら検討しましょう。

オプションの有無や機能を選ぶ

ここまで車庫の設備や性能を選んだら、あとはほしい機能にあわせてオプションを追加します。

オプションの項目で解説した内容を意識しつつ、収納スペースの有無や機能・車庫で何をしたいかを考慮しましょう。

車庫に求める機能やそれを充実させるオプションに注目しながら選ぶことで、費用のムダを削りながら必要な機能を選択できます。

予算を考慮する

車庫の設置にかかる費用は素材やサイズ・設備によって上下します。

特に電動シャッターやセキュリティ設備を追加する場合、費用は高くなりがちです。

予算に不安がある場合は、必要なサイズや機能・設備に優先順位をつけて選択し、ムダを徹底的になくしましょう。

困ったときは専門家へ相談を

ここまで車庫の選び方を解説しましたが、状況によってはほしい機能などを具体的に選べない場合もあるでしょう。

複数の選択肢があると迷ってしまう方も珍しくはありません。

このような場合は専門家に相談しましょう。

車庫設置の際は敷地の条件や法律・設備設定など専門的な知識が必要な場合もあります。

迷ったときはプロのアドバイスを参考にしながら決定してください。

 

ザ・ガーデンでは新築に車庫を設置する際のご相談や依頼を受け付けております。

車庫選びや設置で困ったことがあればお気軽にご相談ください。

 


車庫の設置費用と施工期間の目安

 

車庫の設備などを設定しても、予算や施工期間によっては予定を立て直さなくてはならない場合もあります。設置予算と施工期間の目安について解説するので、参考にしてください。

車庫の設置費用目安

車庫の設置費用は設置台数や車庫の種類によって異なります。以下の図は車庫の種類や台数ごとの費用目安をまとめたものです。

 

車庫の種類

台数

費用目安

独立タイプ

1台

100万円~

2台

200万円~

ビルトインタイプ(増設)

1台

150万円~

2台

250万円~

ビルトインタイプ(減築)

1台

60万円~

 

この費用には基礎や設置費用だけでなく、土間コンクリートの工事費用をはじめとした諸経費も含んでいます。

オーダータイプやオプションを多数つけた車庫は、その分費用も高くなる点に注意しましょう。

 

 

なお、増設タイプは後付けによって住宅の耐震基準を満たせなくなる恐れがあります。

その場合別途費用がかかる耐震補強工事が必要です。こちらも注意しましょう。

車庫の施工期間目安

車庫の設置完了までの期間は、トータルで約1か月ほどかかる場合があります。

 

  • 基礎:1週間
  • 本体の建設:1週間
  • 土間コンクリートの敷詰め:1週間

 

なお、施工に必要な資材や建材が不足している場合は、当然施工できません。

オーダーメイドの場合、これらの発注で設置期間が延びることもあります。

 

また、ビルトインタイプは住宅の構造自体を変更するリフォームが必要になる場合もあります。

この場合、施工完了までに3か月近くかかるケースがあることも覚えておきましょう。

どの車庫を設置する場合でも予定通りにいかない可能性を想定し、余裕あるスケジュールを立てるようにしてください。

 


まとめ

車庫をスムーズに立てるには、事前にある程度内容を明確化しておくことが大切です。

車庫に駐車する車の種類や台数を想定し、それにあわせて必要なスペースや機能を考えて行きましょう。

車庫を作るうえで困りごとや相談があれば、ザ・ガーデンまでお気軽にご相談ください。

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