外構にはさまざまなものがありますが、そのうち植栽と深くかかわるのが花壇です。
ひとくちに花壇といっても、その機能やレイアウトはそれぞれ異なります。
使いやすく庭をよりよく見せる花壇を作るには、目的ごとにしっかりとポイントをおさえておくことが大切です。
そこで今回は、花壇の施工を依頼する際におさえておきたいポイントをまとめました。
これから庭造りやリフォームを検討されている方は、ぜひご覧ください。
花壇の役割
花壇には大きく分けてふたつの役割があります。
花壇の配置や形状は目的によって変わるため、こだわりの外構を作るためには、役割から知っておくのがおすすめです。
まずは外構における花壇の役割をおさえておきましょう。
美観としての役割
美観は花壇が果たす重要な役割のひとつです。
花壇は、植えられている草花やその配置で家主のセンスを表します。
特にアプローチなどの人目に付きやすい場所に配置された花壇は、建物全体の美観に影響します。
丁寧に手入れされた花壇は、庭の美しさだけでなくその持ち主の人格も美しく思わせてくれるものです。
美観としての役割をより発揮させたいなら、花壇やそこに植えられた植物の配置だけでなく、メンテナンスも考慮する必要があります。
実用としての役割
花壇が果たす役割は、庭を見た人や訪れた人に与えるものだけではありません。
家庭菜園など、庭の持ち主が楽しむための実用的な役割も果たします。
この役割を重視する場合、家主が植えたい植物に合わせた配置・形状の花壇が求められます。
美観を意識して植える場合は外からの視点を意識して配置されますが、
家主が楽しむことを重視する場合は、家の内側から見た視点を意識して施工します。これも役割ごとの違いのひとつです。
外構のエリア別花壇づくりのポイント
花壇はほかのエクステリアと合わせて活用されるものでもあります。
そのため、一緒に設置する外構やエリアごとにポイントが異なります。
こだわりを持って設置するなら、エリア別のポイントも抑えておきましょう。
主庭
主庭はリビングなど家の中で家族が集まる場所から眺められる位置にあります。
庭の美観やコンセプトを主に担う位置でもあり、花壇が重要な役割を果たす場所です。
日当たりがいい場所でもあるため、大きく広がる植物や植え替えの多い一年草がよく選ばれています。
なお、主庭でもほかの敷地との境界線に近い部分は日当たりが悪い場合も多いため、注意が必要です。
日当たりに恵まれない場合は、以下の場所に花壇を配置しましょう。
- ウッドデッキや建物側
- 庭の中央
日当たりが悪くても、上記の2か所は時間帯などにより日光を確保できます。
植物の彩りをほかの外構や庭の主役にできるため、あまり日当たりのよくない庭でも、華やかな印象を与えられます。
門周りやアプローチ
主庭と同じく、よく花壇が活用されるのが、門周りやアプローチです。
ここは毎日通るため花壇の変化などにも気がつきやすく、手入れしやすい位置でもあります。
注意点としては、主庭と違って確保できるスペースに制限がある点が挙げられます。
門周りやアプローチに花壇を設置する際は、大きさに注意しましょう。
外構から玄関までの動線を邪魔しない大きさを意識してください。
動線を邪魔しないサイズ内で手入れしやすい大きさの花壇を設置しましょう。
植栽は、高さと季節を意識するのがおすすめです。
例えば、高さと緑を添える庭木を植え、その下に季節の花などを植えると、植え替えの手間などをかけずに緑と季節の彩りを楽しめます。
花壇を上段・下段に分けて設置して、異なる草花を植えるのも華やかで素敵ですね。
駐車スペース脇や建物の間
駐車スペースやほかの外構・家の間などの狭いスペースでは、ほかの外構や建物が隣り合う場合もあります。
これらの間に花壇を置けば、庭に彩りを与えつつ仕切りにすることも可能です。
土留めに草花を植えて花壇代わりにもできます。
小さいスペースにも植栽を植えることで、主庭などの植栽スペースに一体感を与えられます。
庭に統一感を与えたい場合や、涼しげな雰囲気を演出したい場合におすすめの方法です。
狭いスペースに花壇を設置する際は、お世話しやすい草花やほかの植栽に近い色合い・質感のものを選びましょう。
目隠し
ある程度高さのある植栽は、目隠しフェンスの代わりとしても機能します。
フェンスの代わりやフェンスのすき間を埋めるなどの役割を期待する場合は、家や隠したい部分に沿って花壇を設置しましょう。
目隠しを期待して植える場合、高めの庭木がおすすめです。
花壇に彩りが欲しい場合や庭木との間が寂しいと感じる場合は、季節の花を植えるといいでしょう。
なお、庭木の種類によっては剪定などのお世話が必要なものや、落ち葉などを掃除する必要のあるものがあります。
庭木を選ぶときは目隠しとしての機能だけでなく、メンテナンスにかけられる手間や時間も考慮して選ぶようにしましょう。
菜園スペース
家庭菜園などの機能性を求める花壇を設置する場合は、広さと動線を意識しましょう。
家庭菜園などのお世話をする場合、お世話や収穫のために花壇のそばにしゃがみこんだり、室内と菜園を行き来したりします。
植物を植えるスペースだけでなく、人が移動するスペースの確保も意識しましょう。
例えば、菜園スペースの真ん中に園路を設け、スペース内の高さを統一すればスムーズに作業できます。
イチゴなどは苗や実が地面に近いとお世話がしにくいため、ある程度高さのある場所に花壇があると便利です。
菜園スペースに植えたい野菜や果物の特徴や利用方法も含めて、花壇の形や位置を検討しましょう。
新築外構の花壇におすすめな素材
同じサイズ・配置の花壇でも素材によって与える印象は大きく異なります。
また、おしゃれな庭を造るには、ほかの外構や庭のテイストとの統一感も大切です。
ここでは、花壇作りにお勧めの素材をご紹介します。
石材
自然石をはじめとした石材は、花壇に使われる資材の中でもポピュラーなものです。
自然石を積み上げて作ったロックガーデンは、水はけがいい場所を好む植物に適しています。
高山植物や小さな草花を植えたい場合にもおすすめです。
形がそろっている石材を使えば、フォーマルな雰囲気を演出できます。
石積の最上段に笠置(門柱や塀の上部を保護する仕上げ材)を設置すると、花壇自体も美しく仕上げられます。
レンガ
レンガも石材と同じく花壇づくりによく採用されている資材です。気取らず洋風な印象に仕上げられます。
地面を少し掘り下げ、レンガを半分埋めながら設置するとオリジナル感を演出できます。
レンガの色や素材・高さによっても庭の雰囲気を変えられます。
設置の際は、庭全体をどんな雰囲気にしたいかイメージしつつ選びましょう。
コンクリート
コンクリートは無機質な印象を与える一方、スタイリッシュでモダンな花壇を作ることができます。
駐車場やカーポート近くに設置しても雰囲気を壊しにくいのも特徴といえます。
植栽には落葉樹などのクールな印象を与えるものを選ぶと、統一感が出るのでおすすめです。
コンクリートを流し込んで花壇を作ることもできますが、コンクリート製のブロックや枕木を活用する方法もあります。
どれも同じコンクリートでできていますが、完成時の印象は大きく異なります。
同じ材質でも建材による違いがあることを覚えておきましょう。
花壇の施工を依頼する際の注意点
花壇の施工を依頼する際は、花壇や植栽そのものに注意が行きがちです。
しかし、より便利かつ美しい花壇を手に入れるには、その周りやメンテナンスに使う道具なども考慮する必要があります。
ここでは、施工を依頼する際におさえておきたい注意点をご紹介します。
手入れのしやすさも考慮したデザインにする
花壇の機能を維持するには、メンテナンスが必要です。
見た目にばかりこだわりすぎると、手入れしにくい形状の花壇になる恐れがあります。
手入れが満足に行えない場所・形状の花壇は、その機能を満足に発揮できません。
花壇を設置する際は、端から中央までの距離が腕の長さに収まるサイズで検討しましょう。
奥行きは50〜70cm程が目安です。狭い庭の場合は、横長のデザインなら手入れもレイアウトも簡単にできます。
花壇を設置する場所と形状を検討する際は、見た目だけでなく手入れのしやすさも考慮しましょう。
必要な園芸用品や収納場所も考慮する
花壇の手入れには園芸用品が欠かせません。
花壇を設置する際は、じょうろやスコップなどをしまっておく収納場所も含めて検討しましょう。
花壇の近くに設置すれば、気がついたときにすぐにメンテナンスできて便利です。
保管場所には物置がよく採用されます。最近では、庭の雰囲気を壊さないデザインのものも多く販売されています。
物置を設置する際は、花壇や庭の雰囲気にマッチしたデザインのものを選びましょう。
花壇の近くに物置を設置するスペースが確保できない場合は、ウッドデッキなどに床下収納を取り付けるのもおすすめの方法です。
外構の中にはウッドデッキのように機能を追加できるものも多数あります。
敷地内で活用できるスペースなどを考慮するのも、お気に入りの庭を作るための重要なポイントです。
まとめ
花壇は、庭に彩りや機能を与える外構です。ほしい機能やデザインによって、適切なものは異なります。
施工を依頼する際は、事前にどんな機能やデザインの花壇がほしいかを明確にしておきましょう。
ザ・ガーデンでは、花壇の施工に関するご相談やご依頼を受け付けております。
予算やほしい機能などをもとに、お客様のご希望を最大限活かした外構を施工いたします。
興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。