外構にはさまざまな機能がありますが、その中でも特に重要な要素がフェンスです。
満足いく庭づくりのためには、庭に求める機能やこだわりに沿ったフェンスを選ぶ必要があります。
そこで、新築外構に設置するフェンスの主な素材など、選ぶ際に役立つ知識をまとめました。これから庭づくりに取りかかる方は、ぜひご覧ください。
フェンスの役割
フェンスにはさまざまな役割があり、設置の際にどの目的を重視するかによって、適切なものが変わります。見た目だけでなく機能面でも満足できるよう、主な役割を抑えておきましょう。
土地の境界線を示す
フェンスのベースとなる機能です。
隣家との境界がはっきりしていない状態だと、はみ出しや侵入によるトラブルが発生する恐れがあります。
新築外構を施工する際にフェンスを建てておけば、このようなトラブルが発生するのを防止できます。
境界線を示すだけのためにフェンスを置く場合は、ブロックだけまたはその上に80cmほどのフェンスを設置するだけでも問題ありません。
一般的には「ブロック:お庭の高さから10cm高く+フェンス:80cm」の組み合わせを採用する方が多いようです。
プライバシーを保護する
新築と隣家や道路までの距離によっては、家の中で過ごしている様子が見えてしまうこともあります。
プライバシーが見えていると恥ずかしい・気まずいと感じてしまう方もいるでしょう。
このような事態を避ける目隠しとしての役割も、フェンスの代表的な機能です。
目隠しとして設置する場合、180cmほどの大きさのフェンスを採用することが多いです。
成人男性の目線より高いフェンスを設置しておけば、中がうっかり見えてしまう、という事態は起こりません。
なお、これはあくまでも一般的な目安です。目隠しとしての機能をより重視したい場合は、これより大きなフェンスか、塀の設置を検討する場合もあります。
侵入防止
フェンスは不審者や泥棒の侵入を防ぐ効果もあります。
近年強盗などの被害が増加していることから、防犯目的として背の高いフェンスを設置する方も増えてきました。
防犯目的の場合、80cm以上あれば手を使わないと上り下りできないため、防犯機能が期待できます。
どうしても心配な場合は、剣先などをつけてフェンスに手をかけにくい状態を作るといいでしょう。
庭のメンテナンスや片付けの手間軽減
フェンスがあると家だけでなく庭を覗かれる可能性も防ぐことができます。
多少草が生えていても人の目に触れないため、メンテナンスを最小限に抑えられます。
また、隣接する家や土地から吹き込む落ち葉や雑草から庭を守るのにも有効です。
忙しくて庭のメンテナンスや片付けに時間を割けられない方にも、フェンスは便利な外構と言えます。
フェンス設置に伴うメリットとデメリット
フェンスの機能を用いればさまざまなメリットが得られます。
しかし、フェンスがもたらすのは、メリットだけではありません。
機能を最大限に活かすには、フェンス設置に伴うデメリットにも目を向ける必要があります。
フェンス設置に伴うメリットとデメリットを解説します。設置の際は、以下の内容を加味しながら検討してください。
フェンスがあると得られるメリット
フェンスの役割で解説した機能は、そのままフェンスのメリットとして挙げられます。
上記4つに加えてさらに得られるメリットは以下になります。
- 隣家の室外機の風や車の排気ガスなどの軽減
- 外構のデザイン性向上
- 子どもやペットの安全確保
エアコンの室外機からの空気や排気ガスは、庭や庭に面している室内で過ごす際に気になりがちなものです。
不快な臭いが付いていることも多く、ライフスタイルによってはご近所トラブルにまで発展するケースもあります。
フェンスがあれば、これらの影響を最小限に抑えられます。
また、新築の家や外構に合わせたフェンスを設置することで、外観全体を引き立てることも可能です。
より完成度の高い庭を演出できるのも、フェンスが持つメリットといえるでしょう。
このほか、子どもやペットがいる場合、思わぬ飛び出しや隣家への侵入などが発生することもあります。
あらかじめフェンスを設置しておけば、このようなトラブルが起きる心配もありません。
家族の思わぬトラブルを防ぎたい場合にも、フェンスの設置はおすすめです。
フェンス設置に伴うデメリット
フェンスを設置するメリットは、デメリットと表裏一体です。フェンスの種類や配置を考慮しないまま施工してしまうと、以下のようなデメリットが発生します。
- 日当たりや風通しが悪くなる
- 台風や強風・豪雪による倒壊リスク
- 隣人トラブル
- 圧迫感を感じるようになる
- 防犯性の低下
庭や新築を通る日光・風の流れは、フェンスの配置による影響を受けます。
何も考えずに配置してしまうと、せっかくの日光や新鮮な空気がうまく入らない事態になりかねません。
フェンスを立てる際は、日光や風が入り込む隙間も考慮する必要があります。
また、フェンスはいつまでも丈夫なまま立っているとは限りません。
風や雪の影響で倒壊する可能性があります。建てる地域によっては、これらの影響を受けにくいものを選ばなくてはなりません。
このほか、家や敷地が隣接している土地、特にその境目があいまいな所にフェンスを立てると、まれにご近所トラブルにつながる恐れがあります。
土地の境界線にフェンスを立てる際は、最低でもその旨を伝えるあいさつなどはしておいた方がいいでしょう。
防犯性を高めるためにフェンスを立てる際に注意したいのが、フェンスの隙間のバランスです。
フェンスから、庭が全く見えないよう囲んでしまうと、庭で過ごす人に圧迫感を与えてしまいます。
防犯性を高めようとしたら窮屈な庭になってしまったというケースは、フェンスづくりにありがちな失敗です。
外から庭の様子が完全に見えない状態にしていると、不審者や泥棒が入り込んでも周りの人は気が付きません。
配置によっては、逆に防犯性を低下させてしまうのも、フェンスが持つデメリットといえるでしょう。
フェンスの主な材質と特徴
フェンスの機能は材質によっても左右されます。メリットを活かしつつデメリットの影響を最小限に抑えるには、材質についても知っておくことが大切です。次は主にフェンスに使われている材質と、その特徴を解説します。
アルミ製
一番人気の材質で種類も多く、実際に活用されているフェンスの9割近くを占めています。軽量で耐久性が高く、コスパに優れているのが特徴です。軽くて施工が簡単なのも、アルミ製フェンスが持つメリットと言えるでしょう。
また、デザインの種類も豊富です。スタイリッシュなものから木目調まで、さまざまなものが用意されています。素材で迷ったらアルミ製のものからチェックすることをおすすめします。
便利な要素が多いですが、衝撃に弱く、ほかの素材に比べると耐久度は低めです。
歪みや凹みが出やすいため、風や雪の影響が心配な地域では、ほかの素材を選んだ方がいい場合もあります。
樹脂製
目隠しに使われることが多い材質です。デザインや色が豊富で施工しやすく、腐食や白アリ被害にも強いことから、アルミ製に続いてよく選ばれています。
これらの特徴から利用シーンを選ばず活用されていますが、費用は少し高めです。多く設置すると、予算オーバーすることもあるため、予算に注意しながら検討しましょう。
天然木製
自然な風合いを楽しめるのが、天然木製のフェンスです。天然木ならではの味わいと高級感があります。
植栽との相性に優れているのも、この素材の特徴です。
天然の木をそのまま加工しているため、最低でも年1回は塗りのメンテナンスが必要になります。また、白アリが出やすいのもデメリットです。これらの対策をしても経年劣化は避けられません。
天然素材ならではの魅力があるためか、こまめなメンテナンスが必要なのにもかかわらず、ザ・ガーデンでも施工を依頼されることがあります。
スチール製
耐久性や防犯性に優れている素材としては、スチール、つまり鉄製のフェンスが挙げられます。敷地の外回りやアプローチ周辺など、幅広い場所に利用可能な素材です。
高い耐久性を誇る一方、サビやすいため表面のコーティングが剥げていないか定期的にチェックしておく必要があります。また、サビると耐久力が低下するため交換しなくてはなりません。
フェンスの価格と相場
フェンスの設置はフェンスそのものの費用と工事費をセットにして考えます。フェンス単体の価格は幅1m前後の1枚分で5,000~10万円とかなり差があります。コストパフォーマンスに注目したい場合は、まずフェンス単体の価格に注目しましょう。
ザ・ガーデンで施工される方の平均費用としては、『20m×15mの敷地 コの字境界:H800 / お庭部分14m目隠し:H1800』の条件とした場合、40万円前後となります。
なお、フェンスの目的や条件によっては、よりお得に設置することも可能です。費用と共にフェンスにほしい機能やレイアウトなどをご相談いただければ、ご要望に沿ったアイデアをご提案させていただきます。
新築の庭にフェンスの設置を検討されている方は、ぜひザ・ガーデンにご相談ください。
新築外構に設置するフェンスの選び方
フェンスの特徴や機能をおさえても、具体的な選び方が分からないと迷ってしまう方もいるでしょう。最後に、新築外構に設置するフェンスの選び方について解説します。
目的を決める
まずはフェンスの目的を決めましょう。最初に解説したフェンスの目的(役割)のうち、何を優先的に求めるかで選ぶべきものが変化します。目的が分かっていれば迷ってしまった場合でもそれを指針に決められるため、打ち合わせなどがスムーズにできます。
目的を決める際は、必ず家族と話し合ったうえで決定しましょう。家や庭を使う人たち全員で検討して優先度を決めることで、満足感の高い庭を手に入れられます。
予算を決める
目的を決めたら、フェンスに割ける予算を決定します。一般的には、外構工事全体の費用に対し、1〜2割程度が目安です。とはいえ、目隠しや防犯目的などフェンスにある程度高さが必要になる場合は、それなりに費用も高くなります。目的に合わせて調節しましょう。
フェンスの目的や予算が決まっていれば、候補を絞り込めるため迷う心配がなくなります。候補を絞り込む要素をはっきりさせておくのも、庭づくりを成功させるためのポイントです。
フェンスの高さや設置範囲を決める
次に、フェンスの高さや設置範囲を決定します。フェンスの高さは設置するものごとに異なりますが、ザ・ガーデンでは80cm〜2.2m前後のものを設置できます。おおよその高さを決めておきましょう。
設置範囲ですが、隣地の状況や庭にほしい機能なども加味しながら検討するのがポイントです。よくある設置方法としては、以下のものがあります。
- 四方をすべて囲む(クローズ外溝)
- L字型
- コの字
- 一面だけ
設置により庭の印象がガラリと変わるため、この段階で悩んでしまう方もいるでしょう。しかし、ここまでの要素が決まっていれば、業者からお客様の要望を汲んだ提案ができます。困ったときはご相談ください。
素材やデザインを決める
次に、素材やデザインを決めます。外壁と合わせたいなどのほかの要望も加味しながら選びましょう。
素材やデザインに迷ったときは、自分のイメージする庭に近いデザインがあればそれを元に業者が提案します。外構工事の打ち合わせの前に、完成イメージの写真などを用意しておくといいでしょう。
見積もりや設置業者を選ぶ
最後に、見積もりや設置業者を選びます。業者選びの際は、まずフェンスだけでなく外構全体の施工を相談できる所をピックアップしましょう。フェンス単体の依頼だと値段が合わないところが多く、業者探しに難航する恐れがあります。
複数の業者をピックアップしたら、見積もりを依頼してください。このとき、複数業者に見積もり依頼を出す「相見積もり」を出していることを伝えるのがポイントです。ほかの業者の存在を知らせることで、他社との差をつける目的で価格などをサービスしてもらえる可能性があります。
見積もりをもらったら、それぞれの価格や対応態度などを比較し、新築の庭を任せたいと思ったところに依頼してください。
まとめ
フェンスはさまざまな機能があり、それによって外構全体の雰囲気を決めるものです。依頼する際は、フェンス単体ではなく外構全体を任せられる業者を選んで依頼するのがおすすめです。フェンスや業者選びでお困りの際は、お気軽にザ・ガーデンまでご相談ください。